ドイツ電力業界の動き

ガス最大手が公的支援申請、調達価格高騰で100億ユーロの損失も

独天然ガス輸入最大手のユニパーは8日、公的支援を政府に申請した。調達価格の急騰で資金繰りが悪化したエネルギー企業を国が支援しやすくするための法改正案が議会で成立したことから、速やかに申請を行った。ロベルト・ハーベック経済 […]

ガス管用タービン、カナダがロシアに返還へ

カナダ政府は対ロシア制裁の一環で現在、自国に留め置いているガス管「ノルドストリーム1(NS1)」用のタービンをロシアに引き渡す考えだ。複数の交渉関係者の情報としてロイター通信が7日、報じ、同国政府が追認した。NS1の天然

印鉄鋼大手タタ、ケルト海の洋上風力発電事業で独RWEと協力

インド鉄鋼大手のタタ製鉄は6月29日、北東大西洋のケルト海で計画されている浮体式洋上風力発電パークの建設事業において独エネルギー大手のRWEと協力すると発表した。両社は発電施設備の基礎や構造物に用いる鉄鋼材の研究開発を共

ガス会社に公的支援、ユニパーの資金繰り懸念受け法改正へ

ドイツ政府は5日、エネルギー安定確保法(EnSiG)などの改正に向けた法案の起草支援を了承した。天然ガスの供給不足と価格高騰を受けた措置。国外からガスを輸入する企業が経営破綻し、国内供給を維持できなくなる懸念が出てきたこ

ガス消費量が大幅減少、5月は-35%

独エネルギー水道産業連合会(BDEW)は6月30日、天然ガスの1~5月の国内消費量が前年同期比14.3%減の4,600億キロワット時(kWh)へと大幅に減少したことを明らかにした。比較対象の2021年に比べ春が温暖で暖房

天然ガス節約モードに、ロシア産供給の大幅減を受けて

ドイツが天然ガス消費量の大規模な削減に踏み切る。ロシアが欧州向けの供給を大幅に削減したためで、発電と製造業での使用を可能な限り抑制。暖房シーズン前に国内の備蓄を確保し、ガス需要が大幅に増える冬季を乗り切れるようにする。

ガスプロムの元子会社を独政府が支援、安定供給確保に向け

ドイツ政府は14日、露国営天然ガス大手ガスプロムの元子会社である独ガスプロム・ゲルマニア(GPG)に対し融資支援を行うと発表した。GPGがロシアの制裁対象となり、資金繰りが悪化していることから、融資を通して同社の経営破た

陸上風力発電の設置加速へ、32年までに国土の2%を割当

ドイツ政府は15日の閣議で、陸上風力発電施設の設置を迅速化するための法案を了承した。生物種の保護規定や各州が独自に定める設置規制が風力発電拡大の大きな障害となっている現状を改める狙い。法案は州政府の代表で構成される連邦参

ソナンゴル―グリーンアンモニアの対独輸出に期待―

アンゴラ国営石油会社ソナンゴルは15日ベルリンで、独ガウフ・エンジニアリング、コンユンクタと基本合意を締結した。バラドダンデ港にグリーンアンモニア工場を建設し、2024年から輸出する計画。ドイツに輸出することを視野に入れ

EnBW―米からLNGを長期調達、独社初―

エネルギー大手の独EnBWは21日、天然ガスの採掘とLNG(液化天然ガス)の製造を手がける米ベンチャー・グローバルLNGからLNGを長期調達することで合意したと発表した。ドイツ企業が米国産LNGを長期調達するのは初めて。

ティッセンクルップ

独複合企業ティッセンクルップは17日、電解プラント・エンジニアリング子会社ティッセンクルップ・ヌセラの新規株式公開(IPO)を当面、見合わせると発表した。市場環境が悪化したためで、現時点でIPOを実施することはできないと

中小メーカーに再生エネ供給へ、RWEとコメ銀が協業

ドイツのエネルギー大手RWEと金融大手コメルツ銀行は20日、洋上風力発電事業を共同実施することで基本合意したと発表した。大手メーカーに比べ電力消費量が小さい中小メーカー向けに再生可能エネルギー電力を提供。これらの企業が炭

太陽光発電容量が1年で10%増加

ドイツの太陽光発電容量が3月に5万8,400メガワット(MW)となり、前年同月比で9.7%増加したことが、連邦統計局の発表で分かった。2018年1月に比べると38.3%増えている。 1-3月期の太陽光発電量は約88億キロ

1-3月期ガス発電17%減少、石炭と再生エネは2ケタ増に

ドイツの1-3月期の天然ガス発電量(送電網への供給ベース)が前年同期比17.0%減の187億キロワット時(kWh)へと大幅に低下したことが、連邦統計局の発表で分かった。ロシア産の供給減を背景にガス価格が高騰したことが反映

石油大手の分割を可能に、カルテル法改正方針を経済相が表明

ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候相は12日、石油大手に対する独禁規制の強化方針を表明した。市場が寡占状態にあり、競争原理を通した製品価格の低下が起こりにくい現状を改める狙い。物価高騰を受けて実施した自動車燃料税軽減

オクトパス―独再生エネ発電市場に参入―

再生可能エネルギーの英スタートアップ企業オクトパス・エナジーは9日、ドイツで発電事業に参入すると発表した。ドイツは欧州最大の人口を持つうえ、再生エネの普及促進に政府が注力していることから、将来性が高いと判断。同国での発電

テルモンド―ヒートポンプ設置でLGと協業―

インターネットを利用して暖房器具の選定・販売・設置サービスを手がける独スタートアップ企業テルモンドは8日、既存住宅の暖房をヒートポンプに切り替えるサービスを開始したと発表した。炭素中立実現に向けた国の政策を背景に石油・ガ

RWE―蘭でガス発電所取得、カーボンネガティブ実現にらむ―

エネルギー大手の独RWEは2日、スウェーデン同業のバッテンフォールがオランダ北部のエームスハーヴェンで運営する天然ガス発電所「マグナム」を譲り受けることで合意したと発表した。RWEは同地に持つ既存の発電所や新設予定のグリ

陸上風力発電の入札が札割れに

独連邦ネットワーク庁は7日、陸上風力発電パークの新規設置を対象に実施した助成金入札の結果を発表した。入札規模1,320メガワット(MW)に対し応札が947MWにとどまる札割れが発生。競争を通した助成額の引き下げという入札

緊急時はガス発電を実質禁止、露産の供給停止にらみ法案作成へ

ロシア産天然ガスの供給が減少ないし停止しドイツ国内で供給不足が避けられなくなった場合、経済・気候省は天然ガス発電を実質的に禁止する意向だ。発電は他の電源を利用しても行えるためで、ガスの供給先を代替が不可能な暖房や製造業な

トタル―独製油所でロシア産原油の使用削減―

仏石油大手トタルエナジーズのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)は5月25日の株主総会で、独東部のロイナ製油所で使用するロシア産原油の量を削減していることを明らかにした。ポーランドのグダニスク港経由で他国産を調達

カタールが24年にも独へのLNG供給開始、セネガルとは集中協議

ロシア産天然ガスへの高い依存からの脱却に向けたドイツ政府の取り組みが前進している。輸入先を拡大するための外交攻勢を積極展開。主要産出国のカタールから中期的に供給を受けることにメドを付けた。西アフリカのセネガルからも調達す

北海の風力発電拡大へ、EU4カ国が合意

欧州連合(EU)加盟国ドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークの首相や欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は18日、デンマーク南西部のエスビアウで会談し、北海の洋上風力発電拡大に向け協力することで合意した。地球温

LNGインフラの建設迅速化へ、法案起草支援を政府が了承

ドイツ政府は10日、LNG(液化天然ガス)インフラの建設を迅速化するための法案の起草支援を決議した。同国はロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア産ガスへの依存から早急に脱却する方針を打ち出しており、その実現に向けLNG再ガ

ユニパー―露発電子会社の売却交渉進展か―

フィンランド電力大手フォータムの独子会社ユニパーが進めているロシア子会社ユニプロの売却交渉が進展しているとの観測が浮上してきた。露メディアの情報としてロイター通信が13日に報じたもので、現地の天然ガス大手ガスプロムやイン

石炭発電再稼働をヘキスト工業団地が検討

フランクフルト南西部のヘキスト工業団地を運営するインフラサーブが、すでに使用を停止した炭発電施設の再稼働を検討している。同社のユルゲン・フォーマン社長がヘッセン州商工会議所の会議で明らかにした。ロシア産天然ガスの供給が停

政府がFSRU4隻を確保、1隻目は年末にも稼働開始

ドイツ政府は5日、浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)4隻の傭船契約を締結した。ロシア産天然ガスへの依存からの早期脱却に向けた措置で、欧州海運大手ホーグとダイナガスからそれぞれ2隻をチャーター。運営は独エネルギー大

独印が政府間協議、グリーン水素などで協業へ

ドイツとインドの政府間協議が2日、ベルリンで開催された。独政府は日本や東南アジア諸国連合(ASEAN)などとともにインドとの関係を強化し、経済的な中国依存是正を進める方針を打ち出している。今回の協議では気候温暖化対策で協

エネルギー安定確保法改正へ、最終手段として企業の国有化も

ドイツ政府は25日、エネルギー安定確保法改正案の起草支援を決議した。ロシアのウクライナ侵攻とそれに起因する制裁合戦を受け、天然ガスなどの輸入が今後、大幅に減り国内供給不足に陥る懸念を踏まえた措置。危機的な状況が発生した場

北海で天然ガス新規採掘も、独NS州経済省が蘭社と大枠合意

独ニーダーザクセン(NS)州経済省は20日、北海の独蘭海域で天然ガスを採掘するプロジェクトについて蘭採掘会社ワンディアス(ONE-Dyas)と大枠合意したと発表した。NS州政府はこれまで同プロジェクトに否定的な立場を示し

ダウ・ケミカル―独シュターデのLNGターミナルに出資―

独北部シュターデ産業団地でLNG(液化天然ガス)ターミナルの建設を計画する企業連合ハンゼアティック・エナジー・ハブ(HEH)は11日、米化学大手ダウ・ケミカルを新たな出資者として迎え入れると発表した。ダウは少数株主として

OGE―LNG輸入に向けパイプライン敷設、年内完工へ―

天然ガスパイプライン運営のオープン・グリッド・ヨーロッパ(OGE)は8日、独北部のヴィルヘルムスハーフェン港を起点とするパイプラインを敷設し、年内に完成させる計画を発表した。同港に設置予定の浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備

MVV―リチウム生産のバルカンから地域熱を調達―

独エネルギー大手MVVは5日、リチウム生産を手がける豪バルカン・エナジー・リソーシズの独子会社ヴルカン・エネルギー・レソーセンから地域熱の供給を受けることで合意したと発表した。MVVは2040年までに炭素中立を達成し、そ

BASF―1-3月期純益が大幅減、NS2で子会社が巨額減損―

化学大手の独BASEは11日、2022年1-3月期(第1四半期)暫定決算の純利益が前年同期比29%減の12億2,100万ユーロへと大幅に縮小したことを明らかにした。ロシアのウクライナ侵攻を受け、石油・天然ガス子会社ヴィン

ドイツの自動車燃料は割高、軽油は隣接のEU加盟国中で最高値

ドイツは現在、隣接する欧州連合(EU)加盟国のなかで自動車燃料価格が最も高いグループに属している。連邦統計局が連邦カルテル庁傘下の自動車燃料市場透明化局(MTS-K)と欧州委員会のデータをもとに11日、明かにした。 それ

EnBW―LNG調達を拡大、ロシア依存軽減に向け―

エネルギー大手の独EnBWは3月31日、独北部のシュターデ港に建設予定のLNG(液化天然ガス)ターミナルを通して天然ガスを調達することで、同ターミナルの建設・運営プロジェクトを進めるハンゼアティック・エナジー・ハブ(HE

軽油価格がひと月で30%上昇

ドイツ連邦統計局は25日、国内の軽油価格が20日に1リットル当たり平均2.16ユーロとなり、前月同日(1.66ユーロ)を30%上回ったことを明らかにした。2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻で燃料価格が高騰。ガソリ

ロシア産石油・石炭への依存を年内脱却、天然ガスは2年後

ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候相は25日、ロシア産化石燃料へ高い依存度について今後の引き下げ見通しを明らかにした。石炭では今秋までの全面脱却、石油でも年末までのほぼ全面的な脱却が可能だとしている。他の国への調達先

エーオン―欧州への水素供給で豪FFIと協業―

エネルギー大手の独エーオンと豪鉄鉱石大手フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)傘下のフォーテスキュー・フューチャー・インダストリーズ(FFI)は29日、再生可能エネルギー電力で作るグリーン水素を欧州に供給すること

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