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2015/7/29

企業情報

ロシュ―がん免疫治療薬を来年投入へ―

この記事の要約

スイスの製薬大手ロシュ(バーゼル)は23日の決算発表で、同社初のがん免疫治療薬「アテゾリズマブ(Atezolizumab)」を来年にも市場投入する考えを明らかにした。競合の米ブリストル・マイヤーズ・スクイブと米メルクはす […]

スイスの製薬大手ロシュ(バーゼル)は23日の決算発表で、同社初のがん免疫治療薬「アテゾリズマブ(Atezolizumab)」を来年にも市場投入する考えを明らかにした。競合の米ブリストル・マイヤーズ・スクイブと米メルクはすでにがん免疫治療薬を販売しており、追撃する形となる。

がん免疫治療薬は患者の免疫システムを利用する新しいタイプの医薬品で、将来性が高く評価されている。アテゾリズマブは膀胱がん治療薬で、米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬に指定されており、ロシュは来年初頭に認可申請を行い、同年末に市場投入したい考えだ。肺がん治療でも治験が行われており、同分野での認可申請も視野に入れている。

同社の2015年1-6月期(上半期)の売上高は235億8,500万スイスフランとなり、前年同期比で3%増加した。米ドル以外の主要通貨に対しフランの交換レートが上昇し増収幅が3ポイント押し下げられたものの、医薬品、診断の両部門がともに好調だったため、売上増を確保できた。

純利益は7%減の52億4,900万フランに落ち込んだ。比較対象の14年上半期は好中球減少症治療薬「フィルグラスチム」の権利売却で利益が4億2,800万フラン(税引前ベース)押し上げられており、その反動が出た格好。為替も15年上半期の減益要因となっており、為替の影響を除いたベースでは前年同期と同水準を確保した。

製薬部門はがん治療薬が特に好調だった。主要製品をみると、売上高がダントツで大きい3製品は為替の影響を除いたベースですべて増収を確保。抗がん剤「マブセラ/リツキサン」は6%増の34億9,600万フラン、同「ハーセプチン」は11%増の32億6,500万フラン、同「アバスチン」は9%増の32億6,300万フランにそれぞれ拡大した。売上高トップテンに入った製品では同「ペルツズマブ」(72%増6億5,900万フラン)」の増収幅が最も大きかった。

新製品では同「ガジバ/ガジバロ」が237%増の6,300万フランとなり、最大の伸び率を記録。同「カドサイラ」(65%増の3億6,200万フラン)がこれに続いた。

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