ギリシャへの67億ユーロ追加融資、ESMが承認

ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は3月27日、ギリシャに67億ユーロの追加融資を実施することを承認した。うち57億ユーロの融資を28日に実施。残る10億ユーロは5月1日以降に融資する。

今回の融資は、ギリシャが2015年にEUから取り付けた総額860億ユーロに上る第3次支援の第4弾。ギリシャがEUから追加の金融支援を受けるために必要な包括的構造改革法案を可決したことなどを踏まえ、EUは1月下旬のユーロ圏財務相会合で追加融資実施を承認していた。

2018/04/09

欧州委が不良債権処理の対策発表、引当率に最低基準設定

欧州委員会は14日、EU内の銀行が抱える不良債権の処理を促進するための包括的な対策を提案した。...

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2018/03/19

カバードボンドと投資ファンド規制を統一

欧州委員会は12日、金融機関が発行する担保付き債券のカバードボンドや投資ファンドに関する規制を...

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2018/03/19

ECBが金融政策正常化に前向き、量的緩和「拡大」を声明から削除

欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。一方、理事会...

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2018/03/12

フィンテック促進の行動計画発表、クラウドファンディング「パスポート」制も

欧州委員会は8日、EUを人工知能(AI)などの技術を駆使して先進的な金融サービスを提供するフィ...

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2018/03/12

EBAが銀行ストレステストの概要発表、英離脱で厳しいシナリオ設定

欧州銀行監督機構(EBA)は1月31日、2018年に実施するEU域内の大手銀行に対するストレス...

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2018/02/05

ユーロ圏財務相理、ギリシャへの追加融資を承認

EUは22日に開いたユーロ圏財務相会合で、ギリシャに67億ユーロの追加融資を実施することを基本...

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2018/01/29

欧州中銀、金融政策を維持

欧州中央銀行(ECB)は25日に開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。主要政策金...

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2018/01/29

ギリシャの構造改革法案、議会が可決

ギリシャ議会は15日、EUから追加の金融支援を受けるために必要な包括的構造改革法案を賛成多数で...

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2018/01/22

EU銀行の英支店、現状のまま営業可能に=英中銀

英中央銀行のイングランド銀行は12月20日、英国内に支店を置くEUの大手銀行が英のEU離脱後も...

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2018/01/08

第2次金融商品市場指令が施行、市場透明性と投資家保護を強化

EUは3日、より安全で安定的な金融システムの構築を目的とした新たな金融規制「第2次金融商品市場...

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2018/01/08

ユーロ圏の機構改革、仏・独が3月までに共通見解提示

フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相は15日、EU首脳会議後の共同記者会見で、両国が...

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2017/12/18

欧州中銀、物価・成長見通しを上方修正

欧州中央銀行(ECB)は14日発表した最新の内部経済予測で、ユーロ圏の2018年のインフレ率を...

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2017/12/18

欧州委がユーロ圏の機構改革案発表、「欧州通貨基金」創設など柱

欧州委員会は6日、ユーロ圏の統合深化に向けた機構改革案を発表した。EU版の国際通貨基金(IMF)となる「欧州通貨基金(EMF)」の創設を柱とする内容。今月中旬に開くEU首脳会議で協議を開始する。

EUではギリシャに端を発した債務危機が深刻化した反省を踏まえ、財政、金融統合を模索する動きが活発化し、これまでに銀行同盟創設構想に基づく銀行監督、銀行破綻処理の一元化が実現した。機構改革案はこれをさらに拡大するもの。英国の離脱決定で揺れるEUの結束を強化する意図もある。

欧州委のユンケル委員長は3月に発表したEUの将来像に関する白書で、選択肢のひとつとしてEUの経済通貨統合(EMU)の深化を提案。これに基づき欧州委は5月、議論のたたき台となる「リフレクション・ペーパー」を公表し、EMF創設などを提唱していた。

今回の機構改革案で正式に提案されたEMFは、ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)の機能を引き継ぎ、金融危機に陥った国に支援を行う。さらに、EU内の銀行の破綻処理に活用される「単一破綻処理基金(SRF)」の資金が不足した際の後ろ盾にもなる。欧州議会と加盟国の承認を経て創設する。2019年半ばの決定を目指す。

さらに欧州委は、経済危機に陥ったユーロ参加国の「安定化」を支援するための新たな枠組みを設けることも提案した。対象国が景気回復に向けて通常と同水準の投資を維持できるようにするのが目的で、EU予算とEMFを活用し、融資や金融支援を行う。対象国がEUの財政規律を順守していることが支援の条件となる。

ユーロ圏の機構改革をめぐっては、ユーロ圏財務相会合の議長に代わる常任の「ユーロ圏財務相」を創設する案が浮上していた。これに沿って欧州委は今回、ユーロ圏共通の財務相を設ける案を示したが、加盟国の間で意見が分かれているため、正式な提案ではなく提唱にとどめた。名称についても、将来にEU加盟国のすべてがユーロに参加することを見据え、「欧州経済財務相」とした。

欧州委の案では、欧州経済財務相は欧州委の副委員長とユーロ圏財務相会合の議長を兼任。経済政策の調整などに当たるほか、EMFを監督する。次期欧州委の発足に合わせ、19年11月に創設することを想定している。

ユーロ圏の統合進化に関しては、中東欧諸国など非ユーロ圏諸国から、EU加盟国間で格差が生じるとして懸念する声が出ている。このため欧州委は、仏マクロン大統領が提唱するユーロ圏共通予算創設を盛り込まなかった。ユーロ圏財務相の名称を欧州経済財務相としたのも、このような事情がある。

欧州委は18年6月の機構改革決定に向けて、15日に開くEU首脳会議で協議を開始する。ただ、加盟国の間ではユーロ圏統合深化の方向性をめぐる温度差があり、調整の難航が予想される。

2017/12/11

不良債権の電子取引市場創設、ECBが提唱

欧州中央銀行(ECB)は11月27日に発表した金融安定に関する報告書で、ユーロ圏の銀行の不良債...

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2017/12/04

英離脱に伴うEU2機関の移転先、パリとアムステルダムに決定

EUは20日に開いた総務相理事会で、英ロンドンにあるEU主要2機関の移転先を決定した。EUの薬事規制を統括する欧州医薬品庁(EMA)はオランダのアムステルダム、銀行監督を担当する欧州銀行監督機構(EBA)は仏パリに移転する。

両機関の移転は英国のEU離脱に伴うもので、EMAはアムステルダム、ミラノ、ウイーン、コペンハーゲン、ダブリン、ブラチスラバなど19都市、EBAはフランクフルト、パリ、ダブリン、ワルシャワなど8都市が候補となっていた。

英国を除く27カ国の総務相理事会では、2回の投票で候補地を2都市に絞り込み、EMAはアムステルダムとミラノ、EBAはパリとダブリンが決選投票に進んだ。1カ国が棄権した同投票では、どちらも両都市が13票で並んだため、抽選でアムステルダムとパリに決まった。

EU機関の誘致には政治的な意味合いのほか雇用、関連施設の設置、人の往来など経済的な利益ももたらされることから、EMAとEBAの移転にはハンガリー、スロベニア、キプロス、リトアニア、エストニア、ラトビアを除く加盟国が名乗りを上げ、激しい誘致合戦を繰り広げた。特に中東欧諸国は、EU機関が西欧に集中していることを強調して支持を求めた。しかし、いずれの候補都市も1回目の投票でふるい落とされた。両機関の職員の多くが西欧での居住を望み、移転先が中東欧に決まった場合は離職者が相次ぐ恐れが浮上したことが大きな要因になったと目されている。

EBAをめぐっては、欧州中央銀行(ECB)が拠点とする独フランクフルトが最有力候補をみなされていた。ところが、フランクフルトは2回目の投票で脱落という予想外の結果となった。パリには金融取引規制を統括する欧州証券市場監督機構(ESMA)に続き、EUの重要な金融関連機関が置かれることになる。

2017/11/27

不良債権処理に関するECB指針案、欧州委が一律適用に反対

欧州委員会は10日、欧州中央銀行(ECB)が先月まとめた銀行の不良債権処理に関する新たな指針案...

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2017/11/13

ユーロ圏共通予算創設案、加盟国の多くが支持

EUは6日に開いたユーロ圏財務相会合で、EUの統合深化に向けたユーロ圏の機構改革について協議し...

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2017/11/13

欧州中銀が量的緩和縮小決定、1月から国債購入額を半減

欧州中央銀行(ECB)は26日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏の国債などを買い入れる量的金融緩和策の縮小を決めた。12月末となっていた実施期限を2018年9月まで延長するものの、1月以降の購入額は現在の月600億ユーロから半額の300億ユーロに減らす。

ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えを目的に、ユーロ圏の国債や資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)、EUの機関が発行する債券などを買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始。当初は16年9月まで続けることになっていた。しかし、ユーロ圏のインフレ率が目標とする2%に届かないことから、15年12月に実施期間を17年3月まで6カ月延長することを決め、16年3月には買い取り規模を月600億ユーロから800億ユーロに拡大した。

その後に景気が回復し、デフレ懸念も後退したため、16年12月に量的緩和を9カ月延長し、17年12月末まで継続することを決めた一方で、17年4月から購入額を600億ユーロに縮小していた。

ユーロ圏では景気の緩やかな回復が進んでおり、17年4~6月期の域内総生産(GDP)は前期比で0.6%増加し、17四半期連続のプラス成長となった。インフレ率も9月は前年同月比1.5%と、目標水準には届かないものの、デフレ懸念は消え失せた。このためECBは量的緩和の縮小を決めた。

ただ、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、さらなる景気回復と物価上昇には、引き続き金融政策による支援が必要と指摘。今回の縮小は量的緩和を打ち止めとする「出口戦略」ではなく、あくまでも「再調整」と強調して緩和縮小を慎重に進める姿勢を示し、18年9月以降も継続する用意があることを明らかにした。状況に応じて買い入れ額を増やす意向も表明した。

ECBは主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナスとしている超低金利政策に関しても、利上げがユーロ高を招いて景気に悪影響を及ぼすのを避けるため、当面は継続する方針。ドラギ総裁は政策金利を国債買い取りが終了するまで引き上げないことを言明した。

2017/10/30

欧州委、EU版「ボルカー・ルール」導入を断念

欧州委員会は24日、EU域内の大手銀行をリスクが高い取引から隔離することを目的とする銀行構造改...

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2017/10/30

欧州委が預金保険保証制度で新提案、共通基金への一元化を断念

欧州委員会は11日、EU共通の預金保険保証制度(EDIS)を導入する計画について、新たな提案を...

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2017/10/16

ECBが不良債権処理のルール厳格化、来年1月から実施へ

欧州中央銀行(ECB)は4日、ユーロ圏の銀行の不良債権処理に関する新ルールの案を発表した。新た...

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2017/10/09

EUが金融監督体制を一元化、ESAの権限強化へ

欧州委員会は20日、EU域内で活動する金融関連企業に対する監督体制を一元化する計画を発表した。...

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2017/09/25

ECB、20年までに新たな指標金利導入へ

欧州中央銀行(ECB)は21日、短期金利の新たな指標を2020年までに導入すると発表した。欧州...

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2017/09/25

欧州中銀、量的緩和見直しを10月に決定へ

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、ユーロ圏の国債などを買い入れる量的金融緩和の見直しを10月に決める意向を表明した。量的緩和を来年以降も継続するが、規模を段階的に縮小すると見られている。

ECBは同日に開いた定例政策理事会で現行金融政策の維持を決め、主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置くことを決めた。ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、量的金融緩和策の来年以降の方針を10月26日に開く次回の理事会で決定する方針を打ち出した。

ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えを目的に、ユーロ圏の国債や資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)、EUの機関が発行する債券などを買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始。現在の買い取り額は月600億ユーロで、2017年12月末まで実施することになっている。

ユーロ圏では景気の緩やかな回復が進んでおり、17年4~6月期の域内総生産(GDP)は前期比で0.6%増加。17四半期連続のプラス成長となった。ECBは同日発表した最新の内部経済予測で、17年の予想成長率を前回(6月)の1.9%から2.2%に上方修正した。このためECBは来年以降も量的緩和を続けながらも、規模を縮小するのは確実な情勢。市場の注目は、どのように縮小を進めるかに集まっている。

量的緩和見直しの判断でECBが重視するのが、消費者物価の動向だ。物価の上昇は依然として鈍く、8月のインフレ率は前年同月比1.5%と、ECBが目標とする「2%をわずかに下回る水準」を大きく割り込んでいる。内部予測では17年のインフレ率を前回と同じ1.5%に据え置いたが、18年は1.2%、19年は1.5%と、いずれも0.1ポイント下方修正した。

さらにドラギ総裁は、このとろユーロ高・米ドル安が進行しているため、ユーロ圏の輸入コストが下がって物価上昇の足かせとなることや、景気に悪影響を及ぼす懸念を表明。雇用が改善しているものの、賃上げの動きが鈍いことで物価が上がりにくい状況にあることにも言及した。これらを踏まえて、市場では量的緩和を一気に縮小するとユーロ高が加速する恐れがあることから、ECBが段階的に縮小するとの見方が有力だ。

2017/09/11

ユーロ圏の機構改革具体案、独総選挙後に発表=仏大統領

フランスのマクロン大統領は8月29日、EUの統合深化に向けたユーロ圏の機構改革の具体案を9月の...

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2017/09/04

ECBがアイルランド大手銀に制裁、流動性規制違反で

欧州中央銀行(ECB)は8月28日、アイルランド大手銀行のパーマネントTSBが流動性規制を順守...

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2017/09/04

欧州中銀が金融政策維持、量的緩和見直しは「秋に議論」

欧州中央銀行(ECB)は20日に開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。焦点となっている量的金融緩和の見直しについては、ドラギ総裁が理事会後の記者会見で、「秋に議論する」と述べ、早期の実施に否定的な考えを示した。

ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えを目的に、ユーロ圏の国債などを買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始した。現在の買い取り額は月600億ユーロで、2017年12月末まで実施することになっている。

ユーロ圏では16四半期連続でプラス成長となっており、デフレの恐れもなくなったことから、来年以降に量的緩和が縮小するとの見方が強まっている。ドラギ総裁が6月の理事会後の記者会見で追加利下げを行わない方針を打ち出したほか、同月末にポルトガルで行った講演で、量的緩和を段階的に縮小する「テーパリング」を示唆したことも背景にある。

しかし、ドラギ総裁は今回、賃上げの動きが鈍いことなどに言及し、物価上昇のペースが加速する兆しがないと指摘。来年以降に量的緩和を縮小するかどうかについて、理事会の議論開始を今秋に先送りする方針を示した。また、今後の状況に応じて量的緩和を拡充する用意があることも確認した。

ドラギ総裁が量的緩和縮小の判断を先送りするのは、ユーロ圏のインフレ率が6月時点で前年同月比1.3%と、ECBが目標とする2%を大きく下回っているほか、早期の縮小が金融市場の動揺を招き、景気回復に悪影響を及ぼすのを避ける意図があるとみられる。ただ、市場では量的緩和が来年に縮小するのは確実との見方が揺るがず、同日にユーロは急上昇。長期金利の指標となるドイツの10年物国債の利回りも上昇した。

2017/07/24

EUが不良債権処理の行動計画採択、資産管理会社による買取など柱

EU加盟国は11日に開いた財務相理事会で、域内の銀行が巨額の不良債権を抱える問題への対応策を強化することで合意し、行動計画を採択した。不良債権問題が銀行の貸し渋りを招き、欧州の景気拡大の足かせとなっていることを受けたもの。銀行による資本増強、各国が資産管理会社を設立し、不良債権を買い取ることなどが盛り込まれている。

EUによると、域内の銀行が抱える不良債権は約1兆ユーロ。域内総生産(GDP)の6.7%、銀行の融資総額の5.1%に相当する水準だ。

EUは不良債権が減ってはいるものの、処理のペースが鈍すぎ、金融システムの安定や景気に悪影響を及ぼすとして、迅速に処理を進めると同時に不良債権の増大を防ぐための行動計画を打ち出した。

同計画では不良債権処理策の柱として、各国が資産管理会社(AMC)と呼ばれる不良債権の買い取り会社を設立する。2008~12年の世界金融危機に際して、スペインとアイルランドが同様の機関を設立し、不良債権処理を進めたことが参考事例となる。当初はEUレベルで不良債権の受け皿機関「バッドバンク」を創設する構想が浮上していたが、ドイツなど銀行の不良債権が健全な水準にある国が、他の国の不良債権処理に自国の公的資金を投入することに難色を示したため、各国レベルで実施することになった。欧州委員会が今年末までに関連ルールをまとめる。

また、セカンダリー・マーケット(流通市場)での不良債権売却を拡充することも盛り込んだ。現在は同市場が不良債権処理で十分に活用されていないことを問題視したもので、欧州委が18年夏までに具体策を提案する。

行動計画では不良債権の増大を防ぐため、銀行の資本増強に関する欧州中央銀行(ECB)の権限を強化する。各銀行の不良債権増加に備えた資金の手当てが不十分とECBが判断すれば、資本の上積みを迫る。新規融資に際して、必要な資本増強を自動的に行うことを義務付ける仕組みも設ける。これらは欧州委がEUの銀行監督に関するルールを改正する形で実施する。

このほか、欧州銀行監督機構(EBA)が18年末までに、域内銀行の資産、不良債権に関する情報開示を強化することを決めた。

2017/07/17

ギリシャへの過剰赤字是正手続き、欧州委が解除を勧告

欧州委員会は12日、ギリシャの財政改善が進んでいることを受けて、同国に発動している過剰赤字是正...

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2017/07/17

ギリシャへの85億ユーロ追加融資、ESMが承認

ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は7日、ギリシャに85億ユーロの追加融資...

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2017/07/10

ユーロ圏が対ギリシャ追加融資を決定、IMFの支援参加受けて最終合意

EUは15日に開いたユーロ圏財務相会合で、ギリシャへの金融支援再開について最終合意した。国際通...

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2017/06/19

欧州中銀が利下げ打ち切り、量的緩和は継続

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は8日、追加利下げを行わない方針を打ち出した。ユーロ圏でデフ...

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2017/06/12

EUがギリシャへの支援再開見送り、債務軽減めぐるIMFとの対立で

EUは22日に開いたユーロ圏財務相会合で、ギリシャへの金融支援再開について協議したが、ギリシャ...

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2017/05/29

ギリシャの新財政改革法案が可決、金融支援再開が正式承認へ

ギリシャ議会は18日、政府が決めた新たな財政改革に関する法案を賛成多数で可決した。同法案はEUなど債権団との合意に基づくもので、さらなる年金削減、増税を進めることを柱とする内容。これによってギリシャへの金融支援再開が、22日に開かれるユーロ圏財務相会合で正式承認される見通しだ。

債務危機が続くギリシャは、7月に約70億ユーロの債務返済期限を迎えるため、総額860億ユーロに上る第3次支援に基づく追加融資を必要としている。しかし、債権団が第1、2次を含む支援の条件として求めている財政再建の進展状況に関する第2次審査をパスしなければならない。この審査が難航し、追加融資が見送られてきた。

問題となっているのは、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を18年までに国内総生産(GDP)比3.5%の黒字にするという目標を達成するために必要な追加の財政改革。ギリシャは2月、追加措置を即時実施ではなく、第3次支援終了後の2019年1月から実施することや、ギリシャが財政改善を前倒しで実現した場合は減税などを行えるようにするといった条件で、改革を加速させることに同意。4月に債権団と改革の詳細について合意していた。

ロイター通信によると、可決した法案の主な内容は◇個人所得税の課税最低限(納税義務が生じる年収の下限)を8,600ユーロから5,600ユーロに引き下げる◇年金支給額を最大18%削減する――など。増税で約19億ユーロの税収増、年金カットで23億ユーロの歳出削減効果を見込んでいる。このほか、国営の鉄道、港湾、空港運営会社や石油会社の民営化によって42億2,000万ユーロの株式売却益を得ることや、構造改革として電力市場開放を促進することが盛り込まれている。

一方、ギリシャは世論の反発が根強い緊縮策を強化する見返りとして、財政改善の目標を達成すれば法人税率を29%から26%、個人所得税率を22%から20%に引き下げるといった減税や、余剰資金を子供の貧困対策、薬価引き下げなど社会保障拡充に充てることが認められる。

さらにギリシャは22日のユーロ圏財務相会合で、債務の軽減と欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和として実施しているユーロ圏の国債買い取りの対象にギリシャ国債も含めることを要請し、承認を取り付けたい考えだ。

債務の軽減はギリシャのほか国際通貨基金(IMF)も求めているもの。第1、2次の金融支援に加わったものの、3次支援参加を見送っているIMFは、ギリシャの債務問題を根本的に解消するためには債務の減免が必要と主張している。EUとIMFは16年5月、債務返済期限の延長、利払い軽減を認めるという妥協案で合意し、2018年までに具体策を固めることになったが、IMFは元本削減も必要としており、なおEU側と溝がある。とくに総選挙を控えるドイツが、国内世論を考慮して同措置に難色を示している。同問題についてギリシャ政府の報道官は18日、テレビ局とのインタビューで、ドイツとIMFの交渉が妥結に近づきつつあるとの見方を示した。

2017/05/22

ギリシャへの金融支援再開、月内に決定へ

欧州委員会は2日、ギリシャが金融支援再開の条件として実施する改革の詳細について、同国と債権団が...

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2017/05/08

欧州中銀が金融政策維持、物価動向をなお警戒

欧州中央銀行(ECB)は4月27日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、金融政策の維持を決...

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2017/05/02

ユーロ圏での認可取得に最長1年、英のEU離脱に伴う移転でECB見解

欧州中央銀行(ECB)は11日、英国のEU離脱を受けてロンドンからユーロ圏に拠点を移す計画の銀...

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2017/04/24

ギリシャへの金融支援再開めぐる協議進展、追加の財政改革で合意

EUは7日にマルタで開いたユーロ圏19カ国の財務相会合で、ギリシャが金融支援再開の条件として実施する構造改革の主要な内容について大筋合意した。これによってギリシャへの追加融資実施に向けて大きく前進した。

債務危機が続くギリシャは、7月に約70億ユーロの債務返済期限を迎えるため、総額860億ユーロに上る第3次支援に基づく追加融資を必要としている。しかし、債権団が第1、2次を含む支援の条件として求めている財政再建の進展状況に関する第2次審査をパスしなければならない。昨年半ばに始まった同審査が長引き、追加融資が見送られている。

問題となっているのは、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を18年までに国内総生産(GDP)比3.5%の黒字にするという目標を達成するために必要な追加の財政改革。ギリシャは今回の財務相会合で、2019、20年にそれぞれGDP比1%に相当する財政改善策を実施することを受け入れた。19年には年金削減、20年には増税によって実施する。

ギリシャは2月、EUによる追加融資を取り付けるため、財政再建に向けた追加の構造改革を実施することに同意した。しかし、具体案をめぐる債権団との協議が難航し、追加融資の実施が見送られ、デフォルト(債務不履行)に陥る危機が再燃している。

今回の協議では、すでに厳しい財政緊縮策を実施してきたとして追加の改革を渋るギリシャに配慮し、追加措置を即時実施ではなく、第3次支援終了後の2019年1月から実施することや、ギリシャが財政改善を前倒しで実現した場合は、余剰資金を子供の貧困対策などに投じることを認めるという妥協案をまとめ、大筋合意にこぎ着けた。ギリシャ政府は追加改革を議会の承認を経て法制化する。

ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は記者会見で、追加の財政改革の「規模、時期、優先順位で合意できた」とコメント。追加融資実施の最終合意に向けた「大きな問題が解決した」と前進を強調した。

債権団は近日中に査察団をギリシャに派遣し、財政改革の詳細を詰め、事務レベルでの最終合意を目指す。

2017/04/10

ギリシャへの追加融資めぐる協議、合意に至らず

EUは20日、ユーロ圏19カ国の財務相会合を開き、金融支援を行っているギリシャへの追加融資につ...

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2017/03/27

欧州中銀、金融政策維持を決定

欧州中央銀行(ECB)は19日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、量的金融緩和を含む金融...

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2017/03/13

EUとIMF、ギリシャ支援めぐる溝深まる

債務危機に直面するギリシャへの金融支援をめぐるEUと国際通貨基金(IMF)の溝が深まっている。EUは対ギリシャ3次支援へのIMFの参加を求めているが、IMFは7日に発表した報告書でギリシャの経済、財政について悲観的な見方を示し、支援参加に必要な環境が整っていないとする立場を確認。EU側の反発を招いた。

IMFはギリシャに対する第1、2次の国際金融支援には参加したが、2015年に決まった総額860億ユーロに上る3次支援への参加は見送っている。EUの指示でギリシャが進める厳しい緊縮策を柱とした財政再建計画は非現実的で持続できないとして、EUの債務の減免などを求めているためだ。これをめぐって対立するEU側では、IMFが債務問題に口だけ出してカネは出さない状況が続いていることへの不満が募っている。

IMFは報告書で、ギリシャの財政再建計画が楽観的な成長見通しに基づいていると批判。基礎的財政収支を18年までにGDP比3.5%の黒字にするという目標は達成不可能で、同1.5%が現実的な水準だと指摘した。さらに、EUが求める財政緊縮策も厳しすぎ、このままではギリシャが債務問題に持ちこたえられなくなって「爆発する」と警告した。IMFが金融支援に参加するための条件を依然として満たしていないと宣言した格好だ。

これに対してユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長は7日、オランダのテレビ局とのインタビューで、ギリシャが4四半期連続でプラス成長となり、失業率が改善するなど景気回復が進んでいると反論。IMFの評価は「古い」認識に基づくもので、正当に審査していないと批判した。欧州委員会の報道官も同日、ギリシャの財政再建策は「信用できる」と述べた。

当事者のギリシャもIMFに反発している。ツァカロトス財務相は同日、IMFが成長見通しについて悲観的な見解を示した点に関して、ギリシャ経済に関する最新のデータ、分析に反した「あまりにも悲観的な想定に基づいている」と述べ、強い不満を示した。

ユーロ参加国は昨年12月、ギリシャの債務を短期的に軽減することで合意したが、IMFが求める元本削減を含む大規模な減免措置とは大きな開きがある。ギリシャ支援に世論が批判的なドイツなどが、同措置に反対していることが背景にある。

また、ギリシャをめぐっては、IMFの支援再開の目途が立たないことに加えて、財政再建の進展状況に関するユーロ圏の第2次審査が難航しているという問題もある。7月に約70億ユーロの債務を返済する必要があるが、審査が完了しなければ新たな融資が実施されず、返済に必要な資金を確保することができない。ドイツとフランス、オランダが国政選挙を控え、2次審査完了に向けた協議を行う時間が少なくなる中、ギリシャ危機の再燃が懸念されており、7日にはギリシャ国債の売り圧力が強まり、短期国債の流通利回りは昨年9月以来の高水準に達した。

こうした中、EUとIMFなど債権者側とギリシャは10日に会合を開き、金融支援問題について協議した。追加融資の実施に必要となる財政改革の進め方をめぐる双方の対立を解消するのが目的。出席したデイセルブルム議長は会合後に発表した声明で「かなりの進展があった」と述べたが、決着には至らなかった。

協議の詳細は不明だが、ロイター通信によると債権者側はギリシャに対して、年金削減などによって国内総生産(GDP)比1%に相当する18億ユーロの財政強化を18年までに実施するよう要請したもようだ。

EUは20日にユーロ圏財務相会合を開き、同問題を改めて協議する。デイセルブルム議長は双方が2次審査の早期完了を目指すことを確認したこと明らかにし、次回の会合で「審査の更なる進展を検証する」と述べた。

2017/02/13

EU版「バッドバンク」創設、EBA議長が提唱

EUの銀行監督機関である欧州銀行監督機構(EBA)のエンリア議長は1月30日、EUが域内銀行の...

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2017/02/06

ユーロ圏、ギリシャの債務軽減策実施を見送り

ユーロ圏は14日に開いた財務相会合で、金融支援を行っているギリシャの債務軽減策実施を見送ること...

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2016/12/19

欧州中銀が量的緩和の規模縮小、実施期間は9カ月延長へ

欧州中央銀行(ECB)は8日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏の国債などを買い取る量的金融緩和を9カ月延長し、2017年12月末まで継続することを決めた。一方、毎月の買い取り額は4月から200億ユーロ縮小し、600億ユーロとする。量的緩和の規模縮小は初めて。ユーロ圏のデフレ懸念は後退したものの、なお景気の下振れリスクがあることから、規模は縮小するが期間を延長するという妥協的な政策決定となった。

同日の理事会では政策金利は変更せず、主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置いた。

ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えを目的に、ユーロ圏の国債や資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)、EUの機関が発行する債券などを買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始。昨年12月には実施期間を17年3月まで6カ月延長することを決めた。さらに今年3月には、国債などの買い取り規模を月600億ユーロから800億ユーロに拡大し、新たに社債を買い入れ対象に加えていた。

実施機関の延長は、ドラギ総裁が10月に事実上予告していたため、確実視されていた。しかし、規模縮小は予想外。金融市場では発表直後、ECBが緩和を段階的に縮小する「テーパリング」に着手したとの見方が広がり、ユーロ高が進み、ユーロ圏の長期国債の利回りが上昇した。

ユーロ圏の11月のインフレ率は前年同月比0.6%で、31カ月ぶりの高水準となった。なおECBが目標とする2%を大きく下回っているものの、デフレの懸念は遠のき、ECBは同日発表した最新の内部経済予測で、17年の予想インフレ率を前回(9月)の1.2%から1.3%に上方修正した。量的緩和の規模縮小は、こうした状況やユーロ圏の景気が緩やかな回復を続けていることを受けたものだ。

ただ、ユーロ圏では来年にドイツ、フランスなどで国政選挙が実施されることになっており、その結果によって景気が悪化する懸念がくすぶっている。ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、量的緩和を延長しながら規模を縮小するという決定について、一部で予想されていた6カ月延長よりも、規模が減っても9カ月延長する場合の方が買い取り総額は多いとして、緩和の面を強調。テーパリングには当たらないと主張した。また、必要に応じて買い取り額を月800億ユーロに戻す用意があることも明らかにし、不安払しょくに努めた。

ECBが規模縮小に踏み切った背景には、量的緩和を続けてきた結果、買い取り対象となる国債が少なくなっていることもある。このため、今回の理事会では償還期限が2年以上の国債しか購入できないという制限を緩和し、1年以上であれば買い取り対象とすることを決めた。また、利回りが中銀預金金利のマイナス0.4%を下回る国債も購入できるようにする。この新ルールは来年1月から適用される。

2016/12/12

ユーロ圏財務相会合、ギリシャの債務軽減策で合意

EUは5日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャの債務を短期的に軽減することで合意した。ただ、国際通...

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2016/12/12

EUが官民のVCファンド創設へ、16億ユーロ規模目指す

欧州委員会のモエダス委員(研究・科学・技術革新担当)は8日、EUが16億ユーロ規模のベンチャー...

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2016/11/14

ギリシャへの28億ユーロ追加融資、ESMが承認

ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)は25日、ギリシャに28億ユーロの追加融...

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2016/10/31

欧州中銀が量的緩和延長へ、12月の理事会で判断

欧州中央銀行(ECB)は20日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。一方、ドラギ総裁は量的金融緩和について、12月の理事会で延長の是非を判断する方針を示し、期限となっている2017年3月以降も継続することを示唆した。

 ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えのため、従来の低金利政策に加えて、ユーロ圏の国債や資産担保証券(ABS)、担保付き債券(カバードボンド)、EUの機関が発行する債券などを毎月600億ユーロ買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始。昨年12月には追加の金融緩和を決め、量的緩和の実施期間を17年3月まで6カ月延長することを決めた。

さらに今年3月には、国債などの買い取り規模を月600億ユーロから800億ユーロに拡大し、新たに社債を買い入れ対象に含めたほか、14年6月に導入した中銀預金金利をマイナスとする措置について、マイナス幅を0.3%から0.4%に拡大。主要政策金利を0.05%から0%に引き下げた。新たな長期資金供給オペ(LTRO)を開始し、民間銀行に低利の長期資金を供給することも決定した。

ユーロ圏のインフレ率は、ECBが目標とする2%前後を大きく下回っているが、9月は前年同月比0.4%となり、前月の0.2%から0.2ポイント拡大。14年10月以来約2年ぶりの高水準まで持ち直した。景気も緩やかながら回復している。こうした状況を受けて、今月初めには一部のメディアが、ECBが量的緩和の縮小を検討していると報じた。

しかし、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、「量的緩和の縮小を検討したことはない」と述べ、これを否定した。また、インフレ率の上昇について、低迷していた原油価格が値上がりに転じたためで、こうした要素を除外した基礎インフレ率は上昇する気配はなく、持続するかは不透明と指摘。量的緩和の延長に前向きの姿勢を示し、12月8日に開く理事会で判断する意向を表明した。

ただ、量的緩和をめぐっては、1カ国の国債の買い取りには制限があり、利回りが預金金利のマイナス0.4%を下回る国債は購入しないというルールもあるため、買い取り対象となる国債が少なくなっており、延長しても効果は限定されるとの見方が多い。このためECBは、こうした制限の見直しにも踏み切る可能性がある。

2016/10/24

欧州中銀、追加金融緩和を見送り

欧州中央銀行(ECB)は8日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決め...

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2016/09/12