自動車大手の独ダイムラーとルノー・日産アライアンスは3日、パリモーターショーで開いた恒例の年次記者会見で両社の提携について、すべてのプロジェクトが計画通りに進んでいると言及し、今後さらに協力関係を強化していく意向を示した。今秋には両社が設計から完成まで初めて共同開発した3モデルを市場投入する。また、新しい提携事業として日産と三菱ふそうがバンの分野で協力すると発表した。
ダイムラーと日産アライアンスは2010年にパートナーシップ協定を締結した。当初は欧州に重点を置いた3つの共同プロジェクトだったが、現在は欧州、アジア、北米の3大陸で12プロジェクトが稼働している。
両社は4年をかけて後輪駆動アーキテクチャーを採用した3モデルを設計段階から共同開発してきた。このうちルノーの新型「トゥインゴ」は9月に販売を開始しており、ダイムラーの超小型車ブランドであるスマートの新型「スマートフォーツー」と4人乗りモデルの「スマートフォーフォー」は11月に発売する予定。3モデルともパリモーターショーに出展している。
「スマートフォーツー」はフランスにあるダイムラーのハンバッハ工場で、「トゥインゴ」と「スマートフォーフォー」はスロベニアにあるルノーのノボメスト工場で生産している。
■ 日産、三菱ふそうに商用バンをOEM供給
日産自動車と三菱ふそうトラック・バスは3日、日産の3.5トンクラスの商用バン「NV350アーバン」(日本名:NV350キャラバン)を三菱ふそうにOEM供給すると発表した。中東市場に輸出する専用モデル、三菱ふそう「キャンターバン」として販売する。年内に供給を開始する予定。三菱ふそうがバンを販売するのは初めてで、製品ラインアップが広がるとしている。
両社は小型トラックの分野ですでに相互OEM供給提携を実施しており、今回の提携は2番目のプロジェクトとなる。小型トラックでは、日産「アトラスF24」を供給し、三菱ふそう「キャンター ガッツ」として販売するほか、三菱ふそう「キャンター」をOEM供給し、日産「NT450アトラス」として販売している。