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2014/10/6

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クローズアップ<269>FastStorageBW

この記事の要約

ドイツのフラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)が調整役を務めるハイブリッド電池の研究開発プロジェクト。電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)と蓄電池の長所を併せ持つような蓄電池の開発に取り組んで […]

ドイツのフラウンホーファー生産技術・オートメーション研究所(IPA)が調整役を務めるハイブリッド電池の研究開発プロジェクト。電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)と蓄電池の長所を併せ持つような蓄電池の開発に取り組んでいる。

スマートフォンやカメラなどの蓄電池は充電に30分~数時間かかるのに対し、スーパーキャパシタは1分以内の短時間で充放電を行えるほか、充放電による劣化が少ないため充放電を頻繁に繰り返しても製品寿命が長いという特徴を持つ。ただ、スーパーキャパシタは充電容量が小さく、電力を短時間しか蓄電しておくことが出来ない問題がある。

今回のプロジェクトでは、スーパーキャパシタと同水準の出力密度と充電速度が可能で、サイクル寿命が長く、蓄電池よりも耐熱性に優れるほか、蓄電池のようなエネルギー密度を持ち、数週間の蓄電ができかつ製品寿命が10~15年の特徴を持つ電池の開発を目指している。

このようなハイブリッド電池の用途としては、構内運搬機を想定している。部品などを倉庫の棚から出し入れする電動機器や、フォークリフト、無人の自動運搬システムなどに需要があると見込んでいる。

研究チームは初期段階の実験をすでに終えており、今後は商用生産を視野に入れた部材や生産技術の開発に取り組む計画という。

同プロジェクトには、ドイツの電池大手ファルタ・マイクロバッテリーやシュツットガルト大学、フラウンホーファー化学技術研究所(ICT)、バーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)なども参加している。また、バーデン・ヴュルテンベルク州の財務経済省が資金支援している。

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