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2011/3/4

企業情報 - 自動車メーカー

VW、SGLカーボンに資本参加

この記事の要約

独炭素製品大手のSGLカーボンは2月28日、独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が資本参加し、議決権の8.18%を取得したと発表した。SGLカーボンには、独高級車メーカーBMWの大株主であるスザンネ・クラッテン氏が所 […]

独炭素製品大手のSGLカーボンは2月28日、独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が資本参加し、議決権の8.18%を取得したと発表した。SGLカーボンには、独高級車メーカーBMWの大株主であるスザンネ・クラッテン氏が所有する投資会社Skionが資本参加(出資比率:22.25%)しているほか、BMWとSGLが自動車向けの炭素繊維製品の合弁会社を設立しているため、業界ではVW、BMW両社の動きに注目が集まっている。

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SGLのロバート・ケーラー社長はVWの資本参加について、小規模の安定株主グループを確保し、事業の独立性を長期的に維持することが目的、と説明。同社が自動車向けの軽量部品事業を強化していることも理由とした。同社は自動車向けに、炭素繊維を使用した構造部品やカーボンセラミック・ブレーキディスク、リチウムイオン電池の部品などを生産している。

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一方、Skionの広報担当者は今回の動きについて、「距離と警戒心をもって見ている」とコメント。「必要があれば短期間で拒否権を執行できる25%まで出資比率を引き上げることもできる」との見解を明らかにした。

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また、BMWのノルベルト・ライトホーファー社長は今回の件について、「事前にVW側からは話は一切なかった」と述べた一方、部品メーカーが複数の企業と取引関係にあり1社だけに依存しない方がプラスになるとの前向きな考えも明らかにした。

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■ 独自動車メーカーによる炭素繊維部品確保の動きが活発化

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VW傘下の高級車メーカー、アウディは2月16日、独機械メーカーのフォイトと繊維強化材料の開発・生産で協力すると発表した。フォイトはSGLカーボンに資本参加(出資比率:5.12%)している。

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このほか、独高級車メーカーのダイムラーは今年1月、東レと炭素繊維複合材料(CFRP)分野で合弁会社を設立すると発表するなど、独自動車メーカーによる炭素繊維素材部品の確保に向けた動きは活発化している。

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