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2011/4/1

総合 – 自動車産業ニュース

欧州委員、交通セクターの新戦略を提案

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は3月28日、交通セクターの競争力強化と低エミッション化に向けた新戦略「トランスポート 2050(Transport 2050)」を発表した。自動車、鉄道、船舶、飛行機を網羅した包括的な内容で […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は3月28日、交通セクターの競争力強化と低エミッション化に向けた新戦略「トランスポート 2050(Transport 2050)」を発表した。自動車、鉄道、船舶、飛行機を網羅した包括的な内容で、さまざまな交通機関の連携を強化して効率を高めるほか、インフラ整備や新技術の導入などにより、欧州域内で統一のとれた交通網の整備を目指す。

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2050年までの目標としては、◇都市交通では2050年までに従来の燃料を動力源とする乗用車をゼロにする◇航空機に使用する環境負荷の低い燃料の割合を40%以上にする◇船舶のCO2排出量を40%以上削減する◇中距離(300km以上)の旅客・貨物輸送の50%以上を鉄道または船舶に移管する◇交通セクターの排出量を2050年までに60%削減する――などが盛り込まれた。

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また、欧州委は同目標の達成に向け、(1)都市間交通(2)大陸間交通(3)市内交通――の3分野に分けて40件の提案をまとめている。

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都市間交通では、300キロメートルを超える移動では、2030年までに道路交通の30%を鉄道や船舶などに転換し、2050年までには同割合を50%に引き上げることなどが盛り込まれた。大陸間交通では引き続き、飛行機と船舶により旅客・貨物輸送する一方、新たな駆動システムや環境負荷の低い燃料、マネジメントシステムの導入などにより効率の改善を目指す。都市交通では、環境負荷の低い乗用車の普及を加速させる。具体的には、2030年までに従来の燃料を動力源とする乗用車を半減し、2050年にはゼロにすることや、2020年までに道路交通の死亡事故件数を半減させ、2050年までにはほぼゼロに削減することなどを盛り込んでいる。

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■ 英政府、欧州委の新政策案に異議

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英政府は欧州委が発表した交通セクターの新政策案に異議を唱えている。同案に2050年までに都心部でガソリンおよびディーゼル車の通行を禁止することが盛り込まれているためで、同国のノーマン・ベーカー交通相はBBC放送の番組の中で、「低炭素化の実現に向けて高い目標を掲げることは評価するが、方策にまで踏み込むべきではない」と述べ、具体策は各都市に委ねるべきであるとの考えを示した。

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