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2010/12/17

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ボレアリス

この記事の要約

オーストリアの大手化学メーカー(本社:ウィーン)。ポリオレフィン(PP)、ポリエチレン(PE)の製造を中核事業とする。同社の製品は浄水設備や自動車の軽量部品、包装材などに使われている。2009年通期の売上高は47億1,4 […]

オーストリアの大手化学メーカー(本社:ウィーン)。ポリオレフィン(PP)、ポリエチレン(PE)の製造を中核事業とする。同社の製品は浄水設備や自動車の軽量部品、包装材などに使われている。2009年通期の売上高は47億1,400万ユーロ。従業員数は5,200人。

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アブダビ首長国の国営ファンド、インターナショナル・ペトロリアム・インベストメント・カンパニー(IPIC)が64%、オーストリアのエネルギー大手OMVが36%を出資する。

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同社は1994年に石油大手のスタットオイル(ノルウェー)とネステオイル(フィンランド)がそれぞれの石油化学化学事業を分離してデンマークに設立した。1997年にネステオイルが持ち分(50%)をIPICとOMVに売却。スタットオイルも2005年に持ち分の50%をIPIC、OMVに売却して資本撤退したため、2006年には本社をコペンハーゲンからウィーン

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同社は2009年に新規事業部門「モビリティー」を設立している。これまでの自動車向け事業で培ったノウハウを活かし、新たな分野を開拓していく戦略で、新部門には既存のバッテリー充電装置事業も組み入れられた。

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■ フロスト&サリバン・ニュープロダクツイノベーションアワードを受賞

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ボレアレスが開発したポリプロピレン(PP)のガラス繊維強化複合材「Xmod GB306SAF」はこのほど、フロスト&サリバン・ニュープロダクツイノベーションアワード(カテゴリー:エンジンルームの樹脂素材)を受賞した。同部材はフォルクスワーゲン(VW)がすでに、1.4~1.6リットルのエンジンを搭載するモデルに採用している。

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Xmod GB306SAFはガラス繊維の割合が最大36%の複合材で、エアインテークマニホールドや、その他のエンジンルーム部品に適している。最大140度の耐熱性を持ち、化学耐性、振動耐性にも優れるという。

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また、エアインテークマニホールドの素材として現在主流のポリアミド・ガラス繊維強化材に比べ、生産コストが安いほか、形状保持性や防音性に優れ、重量も最大15%軽減できる。さらに、ポリアミド・ガラス繊維強化材を使用した部品と同じ生産ラインで製造できる利点もある。

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