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2015/3/27

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ALASKA

この記事の要約

独デュースブルク・エッセン大学の燃料電池技術センター(ZBT)が主導する燃料電池車用のエアフィルターに関する研究プロジェクト。 燃料電池は水素と酸素の化学反応によって発電する仕組みで、燃料電池車は車載タンクに充填した水素 […]

独デュースブルク・エッセン大学の燃料電池技術センター(ZBT)が主導する燃料電池車用のエアフィルターに関する研究プロジェクト。

燃料電池は水素と酸素の化学反応によって発電する仕組みで、燃料電池車は車載タンクに充填した水素と大気から取り込んだ酸素を反応させている。大気には粒子状物質や有害ガスが含まれているため、燃料電池に負荷がかかる。今回のプロジェクトでは、大気中の有害物質を除去するためのエアフィルターと燃料電池のカソード(酸素極)での酸素還元反応の性能を評価・分析する。

プロジェクトには、ZBTのほか、独自動車・産業用フィルター大手のマン・ウント・フンメル(M+H)、独自動車大手のダイムラー、ユーリッヒ研究センターが参加している。実施期間は2年半で、連邦経済省が支援している。

研究チームは、通常の大気中の汚染物質だけではなく、トンネルの中や先行車からの排ガスなど、突発的に大気中の汚染物質が増える状況でのフィルターの性能や燃料電池への影響などを調査する。

ユーリッヒ研究センターは測定器を搭載した車両を走らせて、酸化窒素やアンモニア、二酸化硫黄、炭化水素、粒子状物質など、大気中の有害物質を測定する。ZBTは収集したデータをガスの種類や走行状況などに分類して分析する。

M+Hは収集した情報や分析結果を活用して、フィルターやフィルターのメンテナンスの開発に取り組む。ダイムラーは大気中の汚染物質量が高まる特定の状況を再現した燃料電池スタックの実験などを行うほか、ZBTと共同でフィルターで遮断できない有害物質が負荷をかけることを想定した燃料電池の改良などに取り組む。

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