2012/10/29

産業・貿易

10カ国の金融取引税導入、欧州委が承認

この記事の要約

欧州委員会は23日、ドイツ、フランスなど10カ国がEU共通の金融取引税を先行して導入することを認めると発表した。EU27カ国の特定多数決方式(各国の人口に応じて票数を割り当てる投票制度)による採択、欧州議会による承認を経 […]

欧州委員会は23日、ドイツ、フランスなど10カ国がEU共通の金融取引税を先行して導入することを認めると発表した。EU27カ国の特定多数決方式(各国の人口に応じて票数を割り当てる投票制度)による採択、欧州議会による承認を経て実施する。

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一般的に「トービン税」として知られる金融取引税の導入は、金融危機を招いた投機的な取引の抑制と同時に、経営危機に陥った銀行をEUが支援するための財源を銀行業界に負担させる目的でフランスが提唱。欧州委が昨年9月に正式提案した。しかし、英国などが反発し、全加盟国での導入が難しくなったことから、賛同する国だけで先行導入することになった。

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これまでに金融取引税導入に賛同しているのは、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、ポルトガル、スロベニア、スロバキア、エストニアの11カ国。EUのEU基本条約には、加盟国のうち9カ国以上が法案などに賛同すれば、それらの国だけで先行して実施することを認める条項がある。欧州委は同条件を満たしたとして、まだ書面で正式に同制度参加を通告していないエストニアを除く10カ国について、導入手続きを進めることを承認した。

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EUで一部の加盟国が共通ルールを先行導入するのは、単一特許制度の創設、国際離婚に関するルールの整備に続き3件目となる。

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