2013/2/4

産業・貿易

蘭4位銀SNSレアールが国有化、不動産融資の損失で

この記事の要約

オランダ政府は1日、国内4位銀行のSNSレアールを国有化したと発表した。同行は不動産融資の焦げ付きで巨額の損失を出し、破たんの危機にあった。政府は37億ユーロの公的資金を投入して国有化し、国内金融システムに動揺が広がるの […]

オランダ政府は1日、国内4位銀行のSNSレアールを国有化したと発表した。同行は不動産融資の焦げ付きで巨額の損失を出し、破たんの危機にあった。政府は37億ユーロの公的資金を投入して国有化し、国内金融システムに動揺が広がるのを防ぐ。

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SNSレアールは2006年に国内同業ABNアムロの不動産金融部門を買収するなどして、不動産融資事業を広げてきた。しかし、2008年のリーマンショックに伴う金融危機や、スペインの不動産バブル崩壊で融資の多くが焦げ付き、資金繰りも悪化していた。

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デイセルブルム財務相によると、政府は民間からの出資による資本増強で危機を乗り切りさせたい考えだったが、出資者が見つからなかったため、公的救済に踏み切った。

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政府は22億ユーロの資本注入を行うほか、2008年に実施した公的支援の残る債権(約8億ユーロ)を放棄し、不動産融資の減損処理に7億ユーロを支援する。

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オランダの大手銀行は2008年以降、ABNアムロ、ING、フォーティスが公的資金の注入を受けて国有化された。SNSレアールの国有化により、公的支援を免れているのはラボバンクだけとなる。

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