2013/2/4

欧州ビジネスウオッチ

フィリップス、船井電機に音響機器事業など売却

この記事の要約

電機大手のフィリップス(オランダ)は1月29日、音響機器などエンターテイメント事業を船井電機に1億5,000万ユーロで売却することで合意したと発表した。収益力の高い事業に集中する戦略の一環。年末までの売却手続き完了を見込 […]

電機大手のフィリップス(オランダ)は1月29日、音響機器などエンターテイメント事業を船井電機に1億5,000万ユーロで売却することで合意したと発表した。収益力の高い事業に集中する戦略の一環。年末までの売却手続き完了を見込む。

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売却するエンターテイメント事業には、DVDなど音響機器やヘッドホン、スピーカーといった関連機器、コードレス電話、電池、携帯電話の充電器などが含まれる。フィリップスは今年6月までに対象事業を継承する新会社を設立し、同社の全株式を船井が取得する。船井は対象製品で5年半はフィリップスのブランドを使用できる契約を結ぶ。

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フィリップスは家電事業を縮小し、照明、医療機器やコーヒーメーカー、電気カミソリなど急成長している一部の家電事業に集中する戦略を進めており、テレビ事業を昨年に切り離したばかり。音響機器事業についても、パソコンやスマートフォンなど携帯端末で代用する動きが広がっていることから、収益拡大が難しいとして放出に踏み切った。

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一方、フィリップスが同日発表した2012年10-12月期(第4四半期)決算の最終損益は3億5,500万ユーロの赤字となった。売上高(継続事業ベース)は3%増の72億ユーロに伸びたが、ブラウン管のカルテルでEUから5億900万ユーロの制裁を科されたことが響き、赤字幅は前年同期の1億6,000万ユーロから膨らんだ。12年通期の最終損益は2億3,100万ユーロの黒字で、前期の赤字(12億9,100万ユーロ)から改善した。

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