2014/1/13

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、追加金融緩和の用意も

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は9日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.25%に据え置くことを決めた。金利据え置きは2カ月連続。ユーロ圏では景気回復の足取りが重く、消費者物価上昇率が […]

欧州中央銀行(ECB)は9日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏18カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.25%に据え置くことを決めた。金利据え置きは2カ月連続。ユーロ圏では景気回復の足取りが重く、消費者物価上昇率が低水準にあることから、ドラギ総裁は低金利政策を継続するとともに、必要に応じて追加の金融緩和措置に踏み切る用意があることを強調した。

ユーロ圏は2013年4-6月期に景気後退を脱し、プラス成長に転じたが、回復のペースは緩やかで、失業率は高止まりしている。また、内需停滞により物価も上がらず、インフレ率はECBが上限目標値とする2%を大きく下回っており、デフレ懸念がくすぶっている。

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、「(景気は)回復しているが、勢いは弱く、いくつかのリスクがある」とコメント。債務危機の終息についても「勝利を宣言するのは時期尚早だ」と慎重な見方を示した。

総裁はユーロ圏の物価動向について、デフレとは「物価が持続的に低下する状況だ」として、現在は日本が1990年代に陥ったようなデフレには直面していない」としながらも、インフレ率が低水準で推移する状況の長期化は避けられないと指摘した。また、ECBが低金利政策を続けているものの、市中金利が上昇傾向にあり、景気回復の足かせとなっていることへの懸念を示し、「(ECB)理事会は必要な限り緩和的なスタンスを維持していくことを強く力説する」と述べ、低金利政策を長期にわたって続ける方針をこれまでにない強い口調で確認。さらに、必要に応じて「あらゆる手段」を講じて「さらに断固とした行動をとる」と述べ、追加金融緩和の導入も辞さない構えを示した。市場では追加措置について、ECBによる金融市場への長期資金供給や、ユーロ圏の国債の購入などを念頭に置いた発言と受け止められている。