2011/5/18

ロシア

BPとロスネフチの提携難航、株式交換の取引期限切れる

この記事の要約

英石油メジャーのBPとロシア石油最大手ロスネフチによる株式交換計画が暗礁に乗り上げている。同計画に対しては、BPがBP-TNKで提携する投資家グループAARが提携契約違反を理由に差し止め請求を行い、3月にこれが認められた […]

英石油メジャーのBPとロシア石油最大手ロスネフチによる株式交換計画が暗礁に乗り上げている。同計画に対しては、BPがBP-TNKで提携する投資家グループAARが提携契約違反を理由に差し止め請求を行い、3月にこれが認められた。解決策を模索して関係者が交渉を続けていたが、16日0時(ロンドン時間)の取引期限を過ぎても合意に至らなかった。

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メディア報道によると、ロシア株主を代表するAARは4月、持ち株を270億米ドルで買い取るというBP案を、時価を下回るとの理由で拒否。15日には30億ドルの買収案に同意したものの、これに伴うBPとロスネフチの株式譲渡に関して意見がかみ合わなかった。

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BPとロスネフチは今年1月、北極海における油田探索での提携を発表。その一環として、BP株5%とロスネフチ株9.5%(ともに78億ドル相当)を交換する計画だった。昨年のメキシコ湾原油流出事故で賠償問題を抱えるBPにとって、ロスネフチとの提携は起死回生のチャンスとみられていた。

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AARは、BPとロスネフチの提携計画が、TNK-BPを優先するとした提携契約に違反しているとして、ストックホルム商工会議所仲裁機関に差し止め請求を行った。同仲裁機関はAARの訴えを大筋で認め、ロスネフチはBPでなく、TNK-BPと油田開発で提携しなければならないとの判断を示した。また、株式交換については信託組織が株式を管理することを条件に認めた。

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これに対してロスネフチは、北極海オフショア事業の経験を持たないことを理由としてTNK-BPとの提携に難色を示している。AARとロスネフチの双方が納得できる解決が可能となるかどうかが焦点となりそうだ。

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BPとAARは2003年に折半出資の合弁会社としてTNK-BPを設立。TNK-BPはBPの産油量の4分の1、埋蔵量の5分の1を占めている。

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ロスネフチは2010年利益の84.8%に当たる1,667億ルーブル(57億9,000万ドル)を生産および社会開発投資に振り向ける方針だ。残る15.2%は配当に充てる。20%の増配が予定されている。

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