2011/5/18

ロシア

ロシアンヘリコプターズ、LSE上場を延期

この記事の要約

国営ヘリコプターメーカーのロシアンヘリコプターズは11日、ロンドン証券取引市場(LSE)での新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。購入の申し込みが少なく、上場が成功する見通しが立たなくなったためで、政府の大型民営化 […]

国営ヘリコプターメーカーのロシアンヘリコプターズは11日、ロンドン証券取引市場(LSE)での新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。購入の申し込みが少なく、上場が成功する見通しが立たなくなったためで、政府の大型民営化計画に早くも狂いが出た格好だ。

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ロシア企業が上場趣意書を公開した後にIPOを取りやめたのは、今年に入ってこれで6社目。携帯電話の小売販売最大手のEvrosetや、金属メーカー2社も上場を延期した。一方で上場を実施したのは4社、調達総額は20億米ドル強にとどまっている。

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原油価格の上昇を背景にロシア経済が堅調な成長を示すなか、国外投資家によるロシア企業への投資に勢いが出ない理由は、企業運営に透明性が欠けていることや、公募価格の設定が高すぎるなど、さまざまな要因がからんでいるようだ。ロシアンヘリコプターの場合は、世界最大の資源商社グレンコア(スイス)によるLSEと香港証券取引所への上場と時期が重なったことも影響した。

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ロシアンヘリコプターズは国営会社として今年初のIPOを実施し、総額5億ドルを調達する計画だった。同社は国内市場を独占しており、国外投資家にとってはロシア防衛産業に投資する数少ない機会の一つだった。しかし、10億ドル弱に上る債務を抱えていることがネックとなった。

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一方、証券市場は、ロシア最大の検索エンジンサイトを運営するヤンデックスの上場に期待をかけている。同社は今月末に米ナスダックでのIPOを予定する。2010年売上高は4億4,000万ドルだったが、アナリストは時価総額を70億ドルと推定しており、投資家の注目を浴びている。

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ドイツ銀行の推定では、ロシア企業のIPOによる資金調達総額は今年、最大で200億ドルにとどまり、過去最高を記録した07年の310億ドルを大幅に下回る見通しだ。

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