中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/7/13

ロシア

独コンチネンタル、ロシアに大型投資

この記事の要約

ドイツ自動車部品大手のコンチネンタルは5日、ロシアに2億2,600万ユーロを追加投資すると発表した。ロシアにおける自動車部品の需要拡大に応えるのが目的。2億2,000万ユーロをかけてカルーガ地方にタイヤ工場を新設するほか […]

ドイツ自動車部品大手のコンチネンタルは5日、ロシアに2億2,600万ユーロを追加投資すると発表した。ロシアにおける自動車部品の需要拡大に応えるのが目的。2億2,000万ユーロをかけてカルーガ地方にタイヤ工場を新設するほか、既存の電子部品工場の拡張に600万ユーロを投じる。

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タイヤ工場は年内に着工し2013年末に稼動する予定だ。年産能力は400万本だが、将来的に800万本への引き上げも視野に入れる。「コンチネンタル」、「Gislaved」、「バルム」、「マタドール」ブランドを製造するという。現地調査会社のインベストカフェは、コンチネンタルが生産を予定する高級タイヤはこれまで輸入に頼っており、現地生産への切り替えでシェアを伸ばすチャンスは十分とみている。

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ロシアにおけるコンチネンタルの最大の取引先はアフトワズで売上高の66%を占める。UAZやGAZにも製品を納入している。プーチン首相の自動車産業振興政策に基づき外国メーカーが現地生産化をすすめていることを踏まえ、今後は外国メーカーの現地工場を顧客として獲得したいところだ。コンチネンタルが工場を構えるカルーガにはプジョー・シトロエンとフォルクスワーゲンが進出している。

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電子部品工場ではエンジン制御装置のほか、燃料供給部品や燃料噴射装置も生産する計画だ。排ガス規準の厳格化で新興市場でも高性能・低燃費のエンジンが求められていると判断した。エンジン制御装置の年間生産能力を現行の20万台から100万台以上に引き上げる。120人以上の新規雇用が生まれる見通し。

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コンチネンタルは、年12~16%の拡大を示すロシアを重点市場と位置づける。人口1,000人当たりの乗用車普及台数が現在の230台から2020年には375台に伸びると予測している。販売台数は2015年に350万台、2020年に375万台と見込まれ、ドイツ(約300万台)を抜いて欧州最大市場になるのも時間の問題だ。

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調査会社のディスカバリー・リサーチグループの調べによると、ロシアにおけるタイヤ生産は2009年の1,920万本から昨年は2,500万本に拡大し、ほぼ金融危機前の水準まで回復している。

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なお、コンチネンタルは5日付で現地子会社の名称をAvtel LLCからコンチネンタル・オートモーティブシステムズ・ルスに改めた。

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