2011/7/13

ロシア

ロシア企業、設備近代化に意欲乏しく

この記事の要約

ロシア企業の多くが、設備の近代化に消極的であることが、大手銀行ズベルバンクがこのほど行ったアンケート調査で明らかになった。\ 調査対象となった700社のうち設備の状態が「普通」あるいは「悪い」と答えたのは全体の3分の2に […]

ロシア企業の多くが、設備の近代化に消極的であることが、大手銀行ズベルバンクがこのほど行ったアンケート調査で明らかになった。

\

調査対象となった700社のうち設備の状態が「普通」あるいは「悪い」と答えたのは全体の3分の2に上った。過去5年間に設備の近代化を実施したのは25%にとどまり、最後に近代化を行ったのはソ連時代という企業も30%あった。60%の企業が、今後3年以内に設備投資を実施する予定があると答えているが、現地紙『ベドモスチ』によると、多くの設備投資は「作業台の交換」程度のものに過ぎず、最新設備を導入する近代化は期待できないという。

\

メドベージェフ大統領は資源依存から脱却を目指し、経済の近代化政策を進めているが、高い税負担や優秀な労働力の不足が足かせとなっている。世界経済フォーラムが先ごろ発表した国際競争力レポートで、ロシアは139カ国中63位に甘んじている。国外に事業を拡大しようという動きはガスプロムのような一部の大企業に限られる。企業の多くは国外よりも国内市場に目を向けている。独立国家共同体(CIS)への進出を考えている企業は16%、CIS以外の国への進出を考えている企業は9%に過ぎない。

\

墺紙『ディー・プレッセ』によると、ロシアでは保護主義的な政策の影響で、外国企業との競争にさらされた経験のない企業が多い。このため、厳しい競争に生き残るため最新の技術や設備を導入しようという意欲が乏しく、近代化やイノベーションへの機運が生まれにくいと解説している。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |