中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/10/12

総合・マクロ

中東欧経済は世界の景気次第、トルコは「アラブの春」が追い風に?

この記事の要約

数年前まで文句なしで投資家の人気を集めていた中東欧だが、最近ではBRICS諸国の成長ぶりと世界的な金融危機の影にかくれ、過去のサクセスストーリーが色あせてしまった。金融市場の専門家らは世界景気への依存性が高いことを確認す […]

数年前まで文句なしで投資家の人気を集めていた中東欧だが、最近ではBRICS諸国の成長ぶりと世界的な金融危機の影にかくれ、過去のサクセスストーリーが色あせてしまった。金融市場の専門家らは世界景気への依存性が高いことを確認するとともに、北アフリカ諸国の民主化の動きがトルコへの投資を活発にする可能性を指摘している。

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ウニクレディト銀行では、中東欧市場に投資することは「世界景気の行方に賭けるのと同じ」とみる。世界の景気が上向けば、欧州連合(EU)の経済大国ドイツの需要に乗り、中東欧諸国もその恩恵にあずかれる。ただ、その逆もまた然りで、不景気の波にものまれてしまう。

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直近のリスクは欧州債務危機。輸出の減少に加え、信用収縮の恐れがあるためだ。中東欧の銀行の親会社が資金を引き揚げ、現地通貨が下落する危険もある。今後の見通しが不透明な現状では、中東欧大手企業の社債に投資するのが得策という。

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国別で比較的安定しているのは、国内市場の大きいポーランド、輸出主導だが健全なマクロ経済指標値を示すトルコだ。特にトルコは、中東・北アフリカの民主化運動「アラブの春」が追い風になる可能性がある。エジプトやリビアではこれまで、政府が経済を握っていた。しかし、民主化で外国企業の市場参入が認められるようになれば、地理的にも文化的にも近く、経済の発展が目覚ましいトルコへの投資も活発化すると考えられるためだ。

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