2012/2/15

チェコ・スロバキア

チェコの大気汚染対策、3企業に15億コルナ助成

この記事の要約

チェコ政府は現在、大気汚染の改善に向けた2つの措置を実行しているが、汚染の責任の大半を負う大企業に対する支援が手厚く、一般世帯への助成が不足する傾向にある。住宅の暖房・温水設備の近代化・更新への助成措置は人気が高く、政府 […]

チェコ政府は現在、大気汚染の改善に向けた2つの措置を実行しているが、汚染の責任の大半を負う大企業に対する支援が手厚く、一般世帯への助成が不足する傾向にある。住宅の暖房・温水設備の近代化・更新への助成措置は人気が高く、政府の支出拡大が期待されている。8日付の現地紙『チェスカ・ポジツェ』が報じた。

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政府は、国営電力会社CEZおよびその炭鉱会社セヴェロチェスケ・ドリー(SCD)、アルセロール・ミタル・エナジー・オストラヴァの3社に対し、助成資金として総額15億コルナを確保している。一方で、モラヴィア・シレジア地方の一般世帯を対象とした暖房・温水設備交換の奨励措置はパイロットプロジェクトして2,000万コルナが用意されたに過ぎない。

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一般向け助成金は今月1日に交付申請の受付が開始されたが、3時間で申請額が予算の2倍に達したため、受理を中止するほどの人気となった。

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チェコでは5万5,000世帯が暖房・温水の熱源として石炭を使っている。これが、モラビア、シレジア地方における大気浮遊粒子汚染の原因の33%を占めると推測される。

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新しい石炭ストーブとの交換に支払われる助成金は6万コルナで、現在の予算ではやっと333世帯分の支援が可能な計算だ。

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ただ、ハルパ環境相は1月に一般世帯向けの助成プログラムを発表した時点で、これがパイロットプログラムであると言明。規模を10倍に拡大した本格的なプログラムを実施する可能性に触れている。

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一方、大企業は条件を吟味し、多額の支援が得られる事実が判明してから初めて助成措置に関心を示すという姿勢だった。企業向け支援は、チェコ政府の助成を前提に欧州連合(EU)も助成を交付する仕組みだ。アルセロール・ミタルへの助成額は政府が5,800万コルナ、EUが3億2,700万コルナ、SCDは政府が5,300万コルナ、EUが3億300万コルナ、CEZは政府が1億1,000万コルナ弱、EUが6億コルナとなっている。

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いずれも窒素酸化物の排出低減が目的だ。環境省では助成を受ける企業に対し、将来の法定基準をも上回るような設備の設置を要請した。ただ、環境基準のゆるい外国に企業を逃すリスクもあり、強制力がないのが現状という。(1CZK=4.11JPY)

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