2012/2/15

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチア政府、財政赤字削減策を発表

この記事の要約

クロアチアのミラノビッチ首相率いる中道左派政権は先ごろ、財政赤字削減に向けた一連の施策を発表した。歳出削減により46億クナ(7億9,500万米ドル)をねん出するほか、付加価値税率の引き上げなど税制改革を通して財政健全化を […]

クロアチアのミラノビッチ首相率いる中道左派政権は先ごろ、財政赤字削減に向けた一連の施策を発表した。歳出削減により46億クナ(7億9,500万米ドル)をねん出するほか、付加価値税率の引き上げなど税制改革を通して財政健全化を目指す内容。

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2013年7月に欧州連合(EU)加盟を目指すクロアチアは昨年の財政赤字が対国内総生産(GDP)比で5.5%と過去8年間で最悪の水準に拡大。中央銀行のロハチンスキ総裁は先に、「財政健全化には90億コルナの歳出削減が必要だ」と発言しており、政府が示している46億クナはこれを大きく下回っている。ただミラノビッチ政権はさらなる歳出削減策の実施を行う方針であり、最終的に90億クナの削減は可能だとしている。

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政府はこのほか付加価値税率を23%から25%に引き上げることや投資目的で所有している不動産への課税、キャピタルゲイン税への課税制度の変更などを予定している。また先月下旬にサナデル前政権が廃止した携帯電話サービス税を13年6月30日までの時限措置として復活させた。これら一連の施策により財政赤字比率を年内に4%、来年までに3%に抑えたい考えだ。

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■クロアチア、海外金融市場で10億ユーロ調達へ

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国債格付けが投資不適格のジャンク級に引き下げられる危機に直面しているクロアチアは、海外金融市場で10億ユーロ相当の資金を調達する。現地経済紙『ポスロヴニ・ドゥネヴニク』が報じた。

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財務省と中央銀行は海外から資金を調達するため、国内の民間銀行から7億ユーロを借り入れることで合意。見返りとして預金準備率の引き下げを実施する。政府と中銀はこの措置によって「通貨と外貨準備の水準を安定させ、国際通貨基金(IMF)と格付け会社に明確なメッセージを送る狙いがある」と中銀関係者が同紙に語った。中銀は先月、2回の市場介入で3億2,700万ユーロを投じてクナの下落圧力緩和を図った。

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中銀は昨年末、国債格付けがジャンク級に転落するのを回避するためには90億クナ相当の赤字削減が必要だとの見解を示したが、財務省の計画では46億クナの削減にとどまっている。(1HRK=13.59JPY)

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