2012/2/15

総合・マクロ

EBRD、中東欧の経済見通しを下方修正

この記事の要約

欧州復興開発銀行(EBRD)は先ごろ、中東欧29カ国の2012年の経済成長率見通しを昨年10月に示していた3.2%から3.1%に下方修正した。長引くユーロ圏債務危機の影響で同地域の経済が深刻な影響を与えているとして、ユー […]

欧州復興開発銀行(EBRD)は先ごろ、中東欧29カ国の2012年の経済成長率見通しを昨年10月に示していた3.2%から3.1%に下方修正した。長引くユーロ圏債務危機の影響で同地域の経済が深刻な影響を与えているとして、ユーロ危機による打撃を最小限に抑えるよう関係各国が一致協力して行動するよう求めている。

\

中東欧の銀行業界は、約4分の3を伊ウニクレディトや墺エルステ・グループ銀行など西欧の金融機関が握っている。EBRDは、深刻さを増すユーロ危機が、金融業界の密接な結びつきを通して中東欧に波及する恐れがあると指摘。また、ユーロ危機が米国やその他の主要国の景気回復にブレーキをかけ、商品価格が下落することによっても中東欧諸国の経済が悪影響を受けると懸念を示す。

\

12年の地域・国別の成長見通しでは、中欧とバルト諸国が前回予想の1.7%から1.4%に引き下げられた。特にユーロ圏へのエクスポージャーが最も高いハンガリーについては、外部環境のトラブルに加えて不適切な一連の政策が事態の悪化に拍車をかけていると批判している。また、南東欧は前回の1.6%から1.0%に、東欧・コーカサスが3.2%から2.6%にそれぞれ下方修正された。東欧・コーカサス地域で最大の経済規模を持つウクライナについては、ユーロ危機の影響が大きく成長鈍化の兆候が見えているとして、3.5%から2.5%に引き下げた。一方、トルコは2.5%、ロシアは4.2%とそれぞれ前回から予想を据え置いた。また、中央アジアは一部の国の成長率がエネルギー価格上昇で押し上げられるとして、6.6%から7.0%に上方修正した。

\
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |