中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/2/15

ポーランド

ルーマニア・ブルガリア、汚職対策など不十分=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は8日、ルーマニアとブルガリア汚職対策、司法改革はなお不十分として、取り組み強化を求める報告書を発表した。これにより両国の「シェンゲン協定」早期参加は難しい情勢となってきた。\ ルーマニアとブルガリアは2007 […]

欧州委員会は8日、ルーマニアとブルガリア汚職対策、司法改革はなお不十分として、取り組み強化を求める報告書を発表した。これにより両国の「シェンゲン協定」早期参加は難しい情勢となってきた。

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ルーマニアとブルガリアは2007年1月にEU加盟を果たしたが、司法制度改革、汚職・組織犯罪対策などで加盟基準を満たしていなかった。このため、加盟後もEUが関連分野における改革の進展状況を検証する報告書を年2回まとめ、監視することになっている。

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欧州委は2012年の中間報告書で、両国とも改革が進んではいるものの、汚職、組織犯罪対策などで「一層の行動」が必要と指摘した。ブルガリアについては密輸、地方自治体の汚職への対策強化を要求。ルーマニアに関しては、高官の汚職の取締りが「大いに改善している」として、ブルガリアより高い評価を与えたものの、司法の公正性、透明性確保を問題点として挙げた。

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汚職、組織犯罪対策の強化は、加盟国が出入国審査を廃止し、旅行者が国境でパスポートを提示することなく域内を移動できるようにする「シェンゲン協定」に参加するための条件となっている。両国の参加については、EU27カ国のうち26カ国が支持しているが、オランダが対策の遅れを問題視し、密輸の横行、犯罪者や不法移民流入の恐れがあるとして拒否権を発動しているため、先送りされている。欧州委は7月に本報告書を発表するが、短期間で評価が大きく変わる可能性は薄く、両国の協定参加への道は依然として険しそうだ。

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