2014/12/3

ロシア

仏ダノンが農相に謝罪要請、「低品質」発言で

この記事の要約

仏食品大手のダノンは11月29日、同社がロシアで低品質の製品を販売しているとする同国農業相の発言に反発し、公式に訂正・謝罪するよう求めた。根拠のない発言により名誉を棄損され、内外の評判に傷がつきかねないと強く抗議している […]

仏食品大手のダノンは11月29日、同社がロシアで低品質の製品を販売しているとする同国農業相の発言に反発し、公式に訂正・謝罪するよう求めた。根拠のない発言により名誉を棄損され、内外の評判に傷がつきかねないと強く抗議している。専門家はこの動きを、欧米による対ロシア制裁への報復の一環とみている。

ニコライ・フェドロフ農相は28日、ダノン及び米ペプシコの製品の質が低いと発言した。子会社の生産する乳製品に生乳が最大20%しか含まれていないことを問題としている。残る8割は「ココナッツやパームオイルなどの添加物」から成っているとした。

ダノンとペプシコが、政府助成を受けながら巨額のロシア事業益を得る一方で、「ロシアの貧しい農家が生産する生乳から『クリームだけをすくい取る(=良いところだけをとる)』のは許せない」と非難した。そして、各地方自治体に関連会社の監視を強めるよう要請した。

ダノンはこれに対し、同社がロシアで最高の産業品質基準をクリアしていると反論。製品の安全性についても、消費者保護当局をはじめとする監督機関の検査に合格している事実を挙げ、問題ないと言明した。

ダノンは20年前にロシアへ進出。2010年に乳製品メーカーのウニミルクを買収し、現在では国内20工場で1万2,000人を雇用する。

ペプシコはソ連時代にロシアへ進出し、2011年に乳製品大手ウイン・ビル・ダン(WBD)を38億米ドルで買収した。農相発言についてはまだコメントを出していない。

ロシア政府は今年7月以来、欧米からの食品輸入を禁止している。8月には衛生基準違反などを理由に米マクドナルドの支店を閉鎖した。市場関係者はこれを、欧米諸国による制裁措置に関連する動きとみている。

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