2015/3/25

ハンガリー

S&P、ハンガリーを格上げ

この記事の要約

米格付け大手のスタンダード&プアーズ(S&P)は20日、ハンガリーの長期信用格付けを「BB」から「BBプラス」へ一段階引き上げた。見通しは「安定的」。2012年末に「BB」へ引き下げて以来、初めての格上げとなっ […]

米格付け大手のスタンダード&プアーズ(S&P)は20日、ハンガリーの長期信用格付けを「BB」から「BBプラス」へ一段階引き上げた。見通しは「安定的」。2012年末に「BB」へ引き下げて以来、初めての格上げとなったが、投資不適格級からはいまだに脱却していない。ムーディーズとフィッチもハンガリーの信用力を「投機的」等級に位置付けている。

オルバン首相の財政改革後、ハンガリーは「非正統的」な経済政策運営で格付け各社から数度にわたり格下げを受けた。

今回の見直しに当たってS&Pはまず、世界金融危機の鎮静化に伴ってハンガリーの国際収支が改善したことを確認した。加えて、国内通貨建て融資を優先する政策と、外貨建て住宅ローンの国内通貨建て契約への転換で、国外における状況の変化(米国の金融引き締めなど)の影響を受けづらくなったと評価した。これらの要素を踏まえて格上げを決めた。

一方、見通しについては、ハンガリー経済が落ち着きを取り戻していること、財政指標が比較的安定していることをプラス要因として指摘。マイナス要因としては政府債務が依然として大きいことと、政策の予想が難しいことを挙げた。これらを総合的に検討した結果、「安定的」見通しとした。