ロシア天然ガス2位のノバテクが、北極圏のヤマル半島で進めている液化天然ガス(LNG)プロジェクトの権益9.9%の売却に向けて、中国の投資基金と交渉している。24日付のロシア経済紙『コメルサント』が報じたもので、数週間以内の契約調印も可能な段階まで到達しているもようだ。取引額は推定140億米ドル。ノバテクは報道内容へのコメントを控えている。
コメルサントは消息筋の情報として、中国政府系のシルクロード基金が買い手と伝えた。
欧米の対ロ制裁により、ロシア企業は国際金融市場で資金を調達しづらくなっている。今回の取引が成立すれば、中国金融機関がノバテクのプロジェクトへの投資家として比重を高めるきっかけとなる可能性がある。
ノバテクのヤマルLNGプロジェクトには、中国石油天然気集団公司(CNPC)と仏トタルが20%ずつ出資している。ノバテクは以前から同プロジェクトの過半数権益を維持する方針を示している。