2015/8/26

ロシア

ロシア、「ウィキペディア」の閲覧を禁止

この記事の要約

ロシア連邦通信監督局(ロスコムナゾール)は24日、オンライン百科事典「ウィキペディア」のロシア語版サイトの閲覧を禁止した。同措置の原因となった記事の修正後に禁止が解除されたが、オンライン情報に対する政府の検閲姿勢が改めて […]

ロシア連邦通信監督局(ロスコムナゾール)は24日、オンライン百科事典「ウィキペディア」のロシア語版サイトの閲覧を禁止した。同措置の原因となった記事の修正後に禁止が解除されたが、オンライン情報に対する政府の検閲姿勢が改めて示された。同国におけるネットサイトの閲覧禁止はこれが初めてではないものの、今回、幅広いユーザーを持つウィキペディアがターゲットとなったことで、検閲に対する一般市民の認識が高まるとみる向きもある。

問題となったのは、大麻の一種「チャラス」に関する項目だ。大麻製造法の公表を禁じる6月の判決を受けて、ロスコムナゾールがウィキペディアに削除を求めていた。

ウィキペディア側が削除を拒否したため、ロスコムナゾールは24日、インターネット接続プロバイダ(ISP)に該当記事への接続をブロックするよう命じた。しかし、ウィキペディアは通信プロトコルにデータを暗号化する「https」を用いており、個別ページをアクセス不能にするのは難しい。このため、ISPは全サイトへの接続を断つことで対応した。

一方、ウィキペディアは該当記事の編集をユーザーに呼びかけた。この結果、大麻がロシアで禁止されている事実の加筆や、脚注の充実が図られ、25日の時点で再びアクセスが可能になった。

ロシアはプーチン大統領が再就任した2012年5月以来、ネットの監視を強めてきた。前年の議会選挙時に盛り上がった反政府運動でブログやソーシャルメディアが活用されたことが、その背景にある。これまでの主な標的は反プーチン活動家のブログなどで、その閲覧者は限られていた。しかし、今回はウィキペディアが対象となったため、一般市民にも検閲の認識が広がりそうだ。

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