2015/8/26

総合・マクロ

カザフが変動相場制に移行、原油安・中露の通貨安に対応

この記事の要約

カザフスタンのカリム・マシモフ首相は20日、外国為替制度の変更を発表した。同日付で通貨テンゲの変動に許容幅を設定する仕組みを廃止し、完全変動相場制に移行する。原油価格の低迷や、ロシアと中国の通貨安に対応することが狙いで、 […]

カザフスタンのカリム・マシモフ首相は20日、外国為替制度の変更を発表した。同日付で通貨テンゲの変動に許容幅を設定する仕組みを廃止し、完全変動相場制に移行する。原油価格の低迷や、ロシアと中国の通貨安に対応することが狙いで、実質的な通貨切下げを意味する。政府の発表後、テンゲの対米ドル相場は23%下落し、1ドル=257.7テンゲの最安値をつけた。

中央アジア最大の産油国であるカザフスタンでは資源産業が原油価格低迷の直撃を受けている。これに加え、主要貿易相手国のロシアは通貨ルーブルが5月半ばから対米ドルで17%下落。中国も11日から2日連続で人民元を切り下げたことから、テンゲ安につながる完全変動相場制の導入に踏み切った。

カザフスタン中央銀行(NBK)のカイラート・ケリムベトフ総裁は、テンゲ相場は今後、市場メカニズムで決まるようになると述べた上で、安定性が損なわれる場合は介入を行う考えを示した。