2015/9/30

自動車

ハンガリー政府、VW排ガス不正の影響を懸念

この記事の要約

独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件に関連し、ハンガリーのヴァルガ経済相は29日、問題となっているディーゼルエンジン1,100万基のうち約200万基が国内のジェール工場で製造されたものだと認めた。また、事件の経済 […]

独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正事件に関連し、ハンガリーのヴァルガ経済相は29日、問題となっているディーゼルエンジン1,100万基のうち約200万基が国内のジェール工場で製造されたものだと認めた。また、事件の経済への影響を推定するため、国内に大規模工場を構えるアウディ(VWグループ)及びメルセデス・ベンツ(ダイムラーグループ)と会合を持っている事実を明らかにした。

不正ソフトが組み込まれたディーゼルエンジン「EA189」は、VW、アウディ、シュコダ、セアトの4ブランドに搭載された。ジェール工場はこれら全てのブランドにエンジンを供給している。ただ、問題のエンジンは排ガス規制「ユーロ5」対応モデルで、新基準「ユーロ6」をクリアする現行モデルには問題がないようだ。

ハンガリーにとって自動車は基幹産業で、2013年には国内総生産(GDP)の14%を占めた。それだけに、今回の事件は経済政策上、無視できない重みをもつ。ヴァルガ経済相は28日の時点で、「GDPが0.3~0.6%減る可能性がある」と話していた。

一方でハンガリー自動車販売店連合会(MGOE)のガブリーニ会長は、今回の事件でVW車の販売が減ったり、ジェール工場が影響を被ることはないとみる。逆に、新製品開発に力が入り、開発拠点を擁するジェール工場にはプラスとなると楽観的だ。