2015/9/30

ロシア

旧海軍工廠を民用に改築、ロスネフチガスが600億ルーブル投資

この記事の要約

ロシア政府は22日、国営石油会社ロスネフチの天然ガス子会社ロスネフチガスに要請し、極東ウラジオストクに近い旧ズヴェズダ海軍工廠を民用造船所に改築すると発表した。投資額は600億ルーブル(9億米ドル)。東アジアにおける資源 […]

ロシア政府は22日、国営石油会社ロスネフチの天然ガス子会社ロスネフチガスに要請し、極東ウラジオストクに近い旧ズヴェズダ海軍工廠を民用造船所に改築すると発表した。投資額は600億ルーブル(9億米ドル)。東アジアにおける資源輸出能力を強化し、欧米との取引減を補う政府の貿易戦略の一環だ。

完成後は、大型の石油タンカー(排水量35万トンまで)や液化天然ガス(LNG)タンカー(載貨重量25万立方メートルまで)、氷海船舶、特殊船舶、オフショアプラットフォームなどの製造が予定される。

ズヴェズダ工廠の近代化は当初、ロシア統一造船(USC)が韓国の大宇造船海洋(DSME)と合弁で実行することになっていた。しかし、DSMEが2012年にプロジェクトから撤退したことなどで計画が遅延。2013年、USCに代わってガスプロムバンクとロスネフチから成る合弁会社が担当することとなった。

ロスネフチは2013年にもズヴェズダ工廠の改築に1,110億ルーブル(17億ドル)を投じたが、今年4月、政府の調べでこのうち40億ルーブル(6,000万ドル)が横領・着服で消えたことが判明した。首都モスクワから遠い東アジア地域は政府の監視の目が届きにくく、汚職がはびこる傾向にあるという。プロジェクト成功には不正を防止し、迅速な運営を図る努力も必要とされている。(1RUB=1.81JPY)