2015/9/30

チェコ・スロバキア

チェコ、インダストリー4.0に向けた取り組みを開始

この記事の要約

チェコがインダストリー4.0(I4.0)に向け国家レベルでの取り組みを開始する。同国ブルノで先ごろ開催された「国際エンジニアリング見本市」でムラーデク産業貿易相が明らかにしたもので、来年4月までに政府がI4.0の実施に向 […]

チェコがインダストリー4.0(I4.0)に向け国家レベルでの取り組みを開始する。同国ブルノで先ごろ開催された「国際エンジニアリング見本市」でムラーデク産業貿易相が明らかにしたもので、来年4月までに政府がI4.0の実施に向けた行動計画を作成する予定だ。

見本市の開幕にあたり講演を行った同相は、チェコにはI4.0をリードするドイツとの密接なつながりがあるなどいくつかの有利な点があるとした上で、今後政府と産業界が一体となった取り組みを行う必要があると訴えた。作成される行動計画には投資や標準化、研究開発、セキュリティ対策、人的資源の開発などが取り入れられる予定だ。

産業界の一部でも取り組みは始まっている。チェコとドイツの産業界が協力して政府への働きかけや企業に対する啓発を行っていくため、チェコ・ドイツ商工会議所は今年の年間テーマに「I4.0:進行する革命」を選定している。

同商工会議所チェコ事務所のリュームコルフ氏は先ごろチェコ・ラジオに対し、「チェコとドイツの経済的な結びつきは強く、ドイツは最大の貿易相手国でもある。将来の経済交流は(I4.0のような)デジタル化に大きく基づいたものとなる」と述べ、従業員の技能資格に関する問題などチェコがI4.0に向け動き出すことの重要性を訴えた。またチェコ産業運輸連盟理事のホロウベク氏は同局の取材に対し、I4.0に対応するため教育や技術者資格、イノベーションと開発における政府の資金支援を求めた。