2015/9/30

総合・マクロ

露ガスプロム、EU競争法違反問題で是正策提示

この記事の要約

欧州連合(EU)競争法違反の疑いが浮上しているロシアの国営ガス会社ガスプロムは21日、同問題の決着に向けて、欧州委員会に競争上の是正策を提案したことを明らかにした。欧州委と協議して了解を取り付け、巨額の制裁を回避したい考 […]

欧州連合(EU)競争法違反の疑いが浮上しているロシアの国営ガス会社ガスプロムは21日、同問題の決着に向けて、欧州委員会に競争上の是正策を提案したことを明らかにした。欧州委と協議して了解を取り付け、巨額の制裁を回避したい考えだ。

欧州委は2012年、ガスプロムが中東欧市場での独占的な地位を乱用し、ガス価格を不当につり上げるなどして、公正な競争を阻害している可能性があるとして、正式な調査を開始した。具体的には同社がポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、リトアニア、エストニア、ラトビアのガス市場で独占的な地位を悪用し、各国の元売り業者に他の国への再輸出を禁止したり、購入したガスを特定地域に限って利用することを強制しているほか、ポーランドなど5カ国でガス価格を不当につり上げているといった問題を指摘している。

EU競争法の違反が認定されれば、対象企業は全世界での年間売上高の最大10%に相当する制裁金の支払いを命じられる可能性がある。ガスプロムの場合、2014年の実績に基づくと、制裁額は97億ユーロ程度に上る。

ガスプロムは違法行為を否定していたが、制裁を逃れるため、13年に欧州委が問題視する点での是正策を提示した。しかし、妥結には至らず、欧州委は今年4月に異議告知書を送付し、制裁発動手続きに着手していた。

異議告知書に対する回答期限は28日で、ガスプロムは同日までに反論を行うか、欧州委の求めに応じた是正策を提示する必要があった。提案を行ったことは、欧州委の指摘を受け入れたことを意味する。是正策の内容は非公表。同社は近日中に欧州委と協議し、問題の解決を図りたいとしている。