2015/9/30

総合・マクロ

露がウクライナへのガス供給再開で基本合意、欧州向けの途絶リスクも回避

この記事の要約

ロシアとウクライナは25日、ブリュッセルで欧州連合(EU)の仲介による閣僚級協議を行い、停止していたウクライナへの天然ガス供給を10月1日から再開することで基本合意した。暖房などで需要が高まる冬場を前に、来年3月末までの […]

ロシアとウクライナは25日、ブリュッセルで欧州連合(EU)の仲介による閣僚級協議を行い、停止していたウクライナへの天然ガス供給を10月1日から再開することで基本合意した。暖房などで需要が高まる冬場を前に、来年3月末までのガス供給にめどがつき、ウクライナ経由の欧州向け供給に支障が出る事態も回避される見通しとなった。

ウクライナへの天然ガス供給をめぐっては、同国東部をめぐり対立するロシアがガス料金の滞納を理由に断続的に供給を止め、7月以降も停止した状態が続いている。欧州委のシェフチョビッチ副委員長(エネルギー同盟担当)は今回の合意について、事態の打開に向けた「決定的な一歩」と歓迎。「ウクライナを経由するロシアからEU諸国へのガス輸送が止まる恐れもなくなった」と強調した。

3者協議でロシアのノバク・エネルギー相は、ウクライナ向け供給にかかる輸出関税を引き下げ、ガス価格を同国周辺のEU諸国と同水準の1,000立方メートルあたり232ドルとすることで同意した。一方、ウクライナのデムチシン・エネルギー相はロシアから供給される天然ガスのうち、20億立方メートルをEU向けとして国内の地下施設に貯蔵することを約束。シェフチョビッチ副委員長はこれを受け、EUが国際金融機関に働きかけ、ウクライナに対しガス購入資金として年内に少なくとも5億ユーロの金融支援を行う方針を打ち出した。