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2012/6/20

経済産業情報

「蓄電システムよりも送電網構築と発電所の柔軟運用を」=技術者協会

この記事の要約

独電気技術者協会(VDE)は11日、再生可能エネルギー(RE)の普及と蓄電システムに関する調査報告書を発表した。VDEはそのなかで、RE電源の需給調整役として関心を集めている蓄電システム(揚水発電など)は、発電量に占める […]

独電気技術者協会(VDE)は11日、再生可能エネルギー(RE)の普及と蓄電システムに関する調査報告書を発表した。VDEはそのなかで、RE電源の需給調整役として関心を集めている蓄電システム(揚水発電など)は、発電量に占めるREの割合が少なくとも40%を超えなければ経済的に意味をなさないと指摘。また、蓄電システムが効果を発揮するには、高圧送電インフラの拡充や発電パークの柔軟な運用システムの実現が不可欠として、これらの取り組みを優先するよう政府に呼びかけた。

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連邦政府は2020年までに発電量に占めるREの割合を35%に拡大する目標を掲げており、この計画に従えば40%の達成は早くても2020~25年になる見通しだ。

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VDEはREの利用拡大に関するシナリオを複数想定したうえで、最もコスト性に優れたソリューションを分析した。それによると、エネルギーミックスに占めるREの割合が40%以下の場合、RE電源による供給過剰は「1年でせいぜい数時間」に過ぎず、既存の火力発電所とバイオマス発電施設の柔軟な運用、およびRE電源の一時的な切り離しで十分に対応できるという。

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一方、REの割合が40%を超えると電力供給量のブレが大きくなり、火力発電所だけでは受給調整が難しくなってくるため、蓄電システムの投入が意味を持ってくる。REの割合がさらに80%を超えると、蓄電システムなしの需給調整はほぼ不可能になるとしている。

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