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2012/6/20

経済産業情報

新たな加速器施設、ダルムシュタットで着工

この記事の要約

世界最大級の粒子加速器研究施設の建設が12日、独西部のダルムシュタットで始まった。「反陽子・イオン研究施設(FAIR)」と呼ばれる同センターは、ヘルムホルツ重イオン科学研究所(GSI)の新たな施設で、大小合わせて8つの円 […]

世界最大級の粒子加速器研究施設の建設が12日、独西部のダルムシュタットで始まった。「反陽子・イオン研究施設(FAIR)」と呼ばれる同センターは、ヘルムホルツ重イオン科学研究所(GSI)の新たな施設で、大小合わせて8つの円形加速器から成る。建設予算は12億ユーロ。2018年の稼働開始を見込む。

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FAIRはGSIの隣接地の地下約20メートルに設置され、長さ3.5キロメートルのビームラインと円周最大1キロメートルの円形加速器8基を備える。建設計画には世界50カ国の研究者3,000人以上が関与・参画したという。

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建設費はドイツ連邦政府、ヘッセン州のほか、フランス、ロシア、インド、フィンランド、ルーマニア、ポーランドなど欧州内外15のパートナー国が負担する。

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FAIRは主に原子核物理学や素粒子物理学などの基礎研究に用いられる。新施設は原子核同士を光速に近いスピードで衝突させることが可能で、関係者は「ビッグバン直後の状態をシミュレーションすることで、宇宙の起源に迫れる」と大きな期待を寄せる。

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