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2013/10/9

総合 - ドイツ経済ニュース

「マウトを全国道と7.5トン車に拡大を」、州交通相が決議

この記事の要約

独16州の交通相は2日の会議で、交通インフラ財源の確保政策案を決議した。老朽化した道路などの修復に年72億ユーロを追加支出するという内容で、財源を確保するためにトラック走行料金(マウト)の適用対象を大幅に拡大することを盛 […]

独16州の交通相は2日の会議で、交通インフラ財源の確保政策案を決議した。老朽化した道路などの修復に年72億ユーロを追加支出するという内容で、財源を確保するためにトラック走行料金(マウト)の適用対象を大幅に拡大することを盛り込んでいる。次期政権の樹立に向けた与野党の協議に反映させたい考えだ。

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ドイツの交通インフラは財政再建のしわ寄せで老朽化しており、連邦と州が共同で立ち上げた「持続可能なインフラ財政委員会」は先ごろ、財源確保の提言を行った。州交通相会議はこれを踏襲して、今回の決議を行った。

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それによると、年72億ユーロの資金を確保するためにまず専用の基金を設立。基金の財源は◇連邦(国)が27億ユーロ拠出◇現在は高速道路と一部の国道に限られているマウトの適用対象を全国道に拡大することで料金収入を23億ユーロ拡大する◇マウトの適用対象となるトラックを現在の12トン車以上から7.5トン車以上に引き下げることで料金収入を6億ユーロ拡大する◇マウトを州道にも適用することで10億ユーロ強を確保する◇ドイツ鉄道(DB)が国に支払う配当5億2,500万ユーロを基金に回す――ことで確保する。基金方式を採用するのは、予算と違い当該年度中に消化する必要がなく、長期の建設プロジェクトに適しているためだ。

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交通相会議ではこのほか、ドイツの道路を乗用車で走行する国外居住者からのマウト徴収を検討することも決議した。ただ、この政策は欧州連合(EU)法に抵触する公算が高く、キリスト教社会同盟(CSU)は連邦議会選挙で公約に掲げたものの、姉妹政党キリスト教民主同盟(CDU)は拒否の意向を明確に示している。

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