欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2013/10/16

経済産業情報

国外サーバー不経由のメールネットワーク提唱

この記事の要約

独通信大手ドイツテレコムのトーマス・クレーマー取締役(データ保護担当)は連邦経済省との会合で、国内のユーザー同士が国外サーバーを経由せずにメール・データを送受信できるようにする「国内メールネットワーク」の創設を提唱した。 […]

独通信大手ドイツテレコムのトーマス・クレーマー取締役(データ保護担当)は連邦経済省との会合で、国内のユーザー同士が国外サーバーを経由せずにメール・データを送受信できるようにする「国内メールネットワーク」の創設を提唱した。英国などデータ保護規定がドイツと異なる国を経由することで、ユーザーの個人情報が収集されることを阻止する狙い。12日付『ライニッシェ・ポスト』紙などが報じた。

\

クレーマー取締役は経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』に対し、「インターネットのやりとりに国境はなく、データが国外のサーバーを経由することも普通だ。しかし、送受信者がいずれも国内にいる場合、伝送されるデータの1バイトたりとも国境を超えることがないシステムを構築したい」と発言した。これ実現するためには国内のネットプロバイダーが歩調を合わせることが必要不可欠なため、競合に参画を呼びかけている。

\

ドイツテレコムはこれに先立つ8月、ネットプロバイダー大手United Internet(「GMX」「Web.de」)と共同で、メールの個人情報保護強化を目指すイニシアチブ「Eメール・メイド・イン・ジャーマニー」を立ち上げた。メールを全て暗号化して伝送するとともに、通信データを国内の安全なデータセンターのみに保管することでメールの機密性を高める狙い。ただ、メールはウイルス検出のためプロバイダーのサーバーで暗号解除・スキャンされており、一部の個人情報保護活動家からは「機密保護はみせかけに過ぎない」と批判されている。

\