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2013/10/16

ゲシェフトフューラーの豆知識

部品を投げて同僚がけが、損賠責任あり

この記事の要約

同僚に部品を投げ渡そうとしてけがをさせた社員に損害賠償責任があるかどうかをめぐる係争で、2審のヘッセン州労働裁判所は8月20日、損賠責任があるとの判断を示した(訴訟番号:13 Sa 269/13)。\ 裁判は自動車修理工 […]

同僚に部品を投げ渡そうとしてけがをさせた社員に損害賠償責任があるかどうかをめぐる係争で、2審のヘッセン州労働裁判所は8月20日、損賠責任があるとの判断を示した(訴訟番号:13 Sa 269/13)。

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裁判は自動車修理工場に勤務していた18歳(当時)の職業研修生が別の職業研修生を相手取って起こしたもの。被告は2011年2月24日、約10グラムのウエイトバランス(タイヤ部品)を原告に投げて渡そうとした。その際、投げることを事前に伝えておらず、ウエイトバランスは原告の左目に当った。

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原告は角膜剥離と瞼の損傷で何度も手術を受け、眼内レンズの移植手術も受けた。この結果、視力が大幅に悪化したうえ、立体視することもできなくなったため、損賠請求訴訟を起こし、1、2審とも勝訴。2審のヘッセン州労裁は2万5,000ユーロの支払いを被告に命じた。判決理由で裁判官は、ウエイトバランスを投げればけがを引き起こすことを被告は理解できたし、また理解しなければならなかったと指摘した。また、業務活動で同僚にうっかりけがを負わせた場合は賠償責任が発生しないが、ウエイトバランスを投げる行為は業務活動に当たらず、被告は賠償責任を免れないとの判断を示した。

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