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2014/1/15

経済産業情報

世界の食肉生産量、50年には1.5倍に

この記事の要約

緑の党のシンクタンクであるハインリッヒ・ベル財団や環境団体BUNDは9日、食肉生産動向やデータをまとめた『食肉アトラス』の最新版を公表した。それによると、世界の食肉生産量は中国、インドなど新興国の人口増加と生活水準の向上 […]

緑の党のシンクタンクであるハインリッヒ・ベル財団や環境団体BUNDは9日、食肉生産動向やデータをまとめた『食肉アトラス』の最新版を公表した。それによると、世界の食肉生産量は中国、インドなど新興国の人口増加と生活水準の向上に伴う食肉消費量の増加を受けて、現在の3億トンから2050年には1.5倍の4億7,000万トンに増加する見通しだ。

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一方、ドイツ国内で2012年に食肉向けにと畜処理された肉畜は7億3,500万頭だった。内訳は牛324万4,000頭、羊108万5000頭、ガチョウ53万羽、ヤギ2万9,000頭、カモ2,546万羽、七面鳥3,770万羽、豚5,835万匹、鶏6億2,794万1,000羽。豚のと畜数はドイツが欧州トップという。

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ドイツ人1人当たりの年間食肉消費量(2011年)は60キログラムだった。前年に比べ2キログラム以上減少したものの、世界平均(43キログラム)を大きく上回っている。

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食肉需要の増加は飼料需要拡大につながり、穀物価格の高騰を招く可能性があるほか、飼料栽培用の耕地拡大は森林破壊や土壌・水質汚染などを引き起こす恐れがある。また、新興国が急拡大する自国の食肉需要に対応するために、高度に産業・効率化された西欧の食肉生産・加工システムを導入すれば、偽装や抗生物質濫用などのスキャンダルが新興国でも繰り広げられる恐れがある。食肉アトラスはこうしたことを踏まえ、増え続ける食肉消費のあり方を見直すよう提言した。

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