欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/4/2

経済産業情報

ドイツの公的債務、昨年は1.4%減少

この記事の要約

連邦統計局は3月27日、連邦(国)、州、市町村を合わせたドイツ全体の累積公的債務が昨年末時点で2兆437億ユーロとなり、前年末に比べ1.4%(280億ユーロ)減少したと発表した。バッドバンクが管理する不良資産の圧縮が進ん […]

連邦統計局は3月27日、連邦(国)、州、市町村を合わせたドイツ全体の累積公的債務が昨年末時点で2兆437億ユーロとなり、前年末に比べ1.4%(280億ユーロ)減少したと発表した。バッドバンクが管理する不良資産の圧縮が進んだことが大きい。累積債務の対国内総生産(GDP)比率は2012年末の81%から約78%に低下した。

ドイツではリーマンショックに伴う金融危機で、不動産金融大手のヒポ・リアル・エステイト(HRE)とノルトライン・ヴェストファーレン州立銀行ヴェストLBが経営破たんした。HREは国有化され、不良資産はバッドバンク「FMS Wertmanagement」で管理。West LBも事業分割され、不良資産はバッドバンク「Erste Abwicklungsanstalt (EAA)」で管理されている。

両バッドバンクの不良資産圧縮が進んだこともあり、連邦と州の累積債務はそれぞれ0.6%減の1兆2,814億ユーロ、3.1%減の6,287億ユーロに縮小した。市町村は横ばいの1,336億ユーロ。

キールの世界経済研究所(IfW)のエコノミストはロイター通信に、ドイツ全体の累積債務が15年には2兆ユーロ未満に低下するとの見方を示した。バッドバンクの不良資産削減が進むほか、公的財政の改善が今後一段と進むと予想されるためだ。20年には累積債務の対GDP比率が欧州連合(EU)の許容上限である60%を下回るとみている。