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2015/3/25

経済産業情報

ドイツ人は現金派、財布の中身は平均103ユーロ

この記事の要約

独連邦銀行(中銀)は19日、国内消費者の支払いに関する調査結果を発表した。それによると、決済(家賃など定期的な支払を除く)の方法として昨年、最も多かったのは現金で、件数ベースのシェアは79.1%に達した。11年の前回調査 […]

独連邦銀行(中銀)は19日、国内消費者の支払いに関する調査結果を発表した。それによると、決済(家賃など定期的な支払を除く)の方法として昨年、最も多かったのは現金で、件数ベースのシェアは79.1%に達した。11年の前回調査(同82.0%)を2.9ポイント下回ったものの、これまで同様、他の方式を圧倒しており、連銀のカールルートヴィヒ・ティーレ理事(決済担当)は、カードなど現金以外の支払い手段への移行は今後も急速には進まないとの見方を示した。

現金に次いで支払件数が多かったのはジロカード(デビットカード。以前はecカードと呼ばれていた)で、シェア15.3%を記録。11年の13.4%から1.9ポイント増加した。

一方、クレジットカードは1.8%から1.3%に減少した。手数料が相対的に高いことを嫌って同決済を採用しない小売店が多いことがネックとなっている。

消費者の決済を売上ベースでみると、現金の割合は53.2%で、件数ベースの割合を大きく下回った。支払額の大きい決済ではカードや銀行振り込みを利用する人が多いためだ。ジロカードは29.4%、振込は5.3%に上った。クレジットカードは11年の7.4%から3.9%へと大きく落ち込んだ。

現金による決済は50ユーロ未満の支払いで最もシェアが高く、5ユーロ未満では全体の96.4%(件数ベース)、5ユーロ以上~20ユーロ未満でも89.8%を占めた。一方、50~500ユーロではジロカードが最大のシェアを占めており、50ユーロ以上~100ユーロ未満で43.4%、100ユーロ以上~500ユーロ未満でも42.8%に上った。

500ユーロ以上では振込が31.7%で最も多く、これに現金(24.1%)、ジロカード(14.4%)が続いた。ジロカードは11年には30.7%を占めており、半分以下に低下。現金は11年の11.2%から2倍強に増えた。

もっぱら現金で決済する消費者に理由を聞いたところ、最も多い回答(複数回答可)は「支出を管理しやすい」で、65%に達した。これに「カードよりも支払いが簡単」(43%)、「カードよりも安全」(33%)、「カードよりも支払いがスムーズ」(29%)が続いた。

一方、主にカードで支払う消費者にその理由を聞いたところ、「かさばらない」を挙げる人が最も多く71%に上った。2位以下は「現金を引き下ろすのは面倒」(44%)、「支払いがスムーズ」(27%)、「安全」(26%)、「支出を管理しやすい」(22%)となっている。

アンケート調査対象者に占めるカード保有者数の割合をみると、ジロカードでは11年の94%から97%に増加。クレジットカードでは33%から32%に低下した。

消費者が財布の中に持っている現金の額は平均103ユーロで、11年と同額だった。最も多い金額帯は50ユーロ以上~100ユーロ未満で、27%が該当。これに20ユーロ以上~50ユーロ未満(22%)、100ユーロ以上~150ユーロ未満(16%)が続いた。20ユーロ以上~50ユーロ未満が11年の18%から4ポイント増加したのに対し、50ユーロ以上~100ユーロ未満は3ポイント低下。100ユーロ以上~150ユーロ未満も2ポイント縮小しており、大きな現金を手元に持たない人が増えていることがうかがわれる。

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