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2015/4/22

総合 - ドイツ経済ニュース

GDP予測を大幅引き上げ=春季予測

この記事の要約

Ifoなど有力経済研究所は16日に公表した共同作成の「春季経済予測」で、今年の国内総生産(GDP)予測を大幅に引き上げた。昨年第4四半期から石油価格が大きく下落しているうえ、ユーロの交換レートも低下し、景気の大きな押し上 […]

Ifoなど有力経済研究所は16日に公表した共同作成の「春季経済予測」で、今年の国内総生産(GDP)予測を大幅に引き上げた。昨年第4四半期から石油価格が大きく下落しているうえ、ユーロの交換レートも低下し、景気の大きな押し上げ要因となっているためだ。成長率見通しの好転を受けてドイツの財政黒字は大幅に拡大することから、「予測」は政府に対し所得減税の実施を強く求めた。

有力経済研究所は春と秋の年2回、「予測」を共同作成して政府に提出している。昨年10月の「予測」では景気減速を踏まえ、2015年GDP成長率を従来見通しの2.0%から1.3%に引き下げた。だが、その後の石油安とユーロ安で経済が好転していることから今回、2.1%へと上方修正した。(下の表を参照)

16年については1.8%を見込んでいる。今年よりも成長率をやや低く設定したのは石油安の景気押し上げ効果がなくなるとみているため。

ドイツの所得税率は課税所得が多くなると上昇のカーブが緩くなることから、低・中所得層の負担が大きい。「予測」はこれを問題視して是正を求めた。

国と地方自治体、社会保険機関を合わせたドイツ全体の財政収支は12年以降、黒字を計上している。黒字幅は昨年180億ユーロとなり、前年の4倍強に拡大。対GDP(名目)比で0.6%に達した。今年は黒字額が207億ユーロ、来年は256億ユーロに拡大する見通しで、「予測」は所得税率見直しの絶好のチャンスだと指摘。所得の増加に伴う税率の上昇が均等に進む方向で法改正することを提言した。最高税率が適用される課税所得についても現在の年5万ユーロ強から引き上げることを求めている。

「予測」はまた、今年1月に導入された法定最低賃金に言及。経済の安定を受けて失業者数の減少は今後も進むものの、最低賃金は低賃金セクターの雇用を縮小しマイナスだと指摘。被用者の税金・社会保険料納付義務が免除される低賃金労働「ミニジョブ(月収450ユーロ以下)」制度の利用者は16年末までに22万人減少するとの見方を示した。

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