東レは10日、伊繊維メーカーのサーティから炭素繊維事業を買収することで合意したと発表した。対象となるのは、炭素繊維を加工して成形用中間素材を生産する「プリプレグ」と呼ばれる事業。買収額は明らかにしていない。
東レはミラノ郊外にあるサーティの工場を取得し、来年1月に100%子会社「コンポジット・マテリアルズ」として事業を開始する。
サーティのプリプレグ部門は、自動車メーカーなどに炭素繊維をシート状にした素材を供給している。東レは欧州で現在、フランス子会社で炭素繊維を一貫生産し、ドイツの子会社で炭素繊維織物を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部品を生産しているが、プリプレグの生産拠点を確保することで「一貫した自社サプライチェーンを確立でき、グループの欧州における炭素繊維複合材料事業の基盤が一層強化される」としている。