欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/15

EUその他

自動車排ガス規制で仏独が共同歩調、25年の新規制導入に反対を表明

この記事の要約

EU域内で販売される乗用車の二酸化炭素(CO2)排出規制をめぐり、2025年を達成期限とする新たな規制の導入を阻止するためフランスとドイツが共同歩調をとっている。 EUでは今年2月、現在は走行1キロメートル当たり平均13 […]

EU域内で販売される乗用車の二酸化炭素(CO2)排出規制をめぐり、2025年を達成期限とする新たな規制の導入を阻止するためフランスとドイツが共同歩調をとっている。

EUでは今年2月、現在は走行1キロメートル当たり平均130グラム以下に制限している新車のCO2排出量を、21年から同95グラム以下に抑えることをメーカーに義務づける法案が採択された。欧州議会はさらに踏み込み、25年から排出上限を68~78グラムとする規制強化策を提案している。

英フィナンシャル・タイムズ紙によると、仏独両国は今月初めに共同で声明を出し、21年以降の新たな規制は30年まで導入を見合わせるべきだとの見解を表明した。両国政府は17年以降に新車の性能試験方法が変更される可能性などに触れ、21年以降の規制環境は「考慮すべき不確実性」に覆われていると指摘。「両国は30年以降の排出規制について要点をまとめ、各方面と協議する用意がある」と続けている。

自動車業界では21年の新規制導入からわずか4年後に一段と厳しい数値目標が設定された場合、技術面で対応が難しいとの懸念が広がっている。欧州自動車工業会(ACEA)の会長を務めるルノー・日産アライアンスのカルロス・ゴーン会長兼最高経営責任者(CEO)はFT紙の取材に対し、「メーカーは規制当局がどこに向かおうとしているか知りたがっている。21年以降の新たな数値目標に関しては、達成期限を30年にすべきだとのフランスとドイツの提言を歓迎する」と発言。業界としてより厳しい排出規制の導入に反対するわけではないが、EU当局には実現に向けた明確な道筋を示してもらいたいと注文をつけた。