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2012/3/9

企業情報 - 自動車メーカー

VW、環境負荷の低減に大型投資

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は6日、2012~2016年までの5年間で計画している総投資のうち、中国向けの投資140億ユーロを除いた624億ユーロの3分の2以上を直接・間接的な環境負荷の低減技術などの開発に投 […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は6日、2012~2016年までの5年間で計画している総投資のうち、中国向けの投資140億ユーロを除いた624億ユーロの3分の2以上を直接・間接的な環境負荷の低減技術などの開発に投資すると発表した。販売車両の燃費改善や代替燃料車の開発のほか、生産工程における環境負荷の低減にも取り組む。

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今回の計画は、同日開幕したスイスのジュネーブ・モーターショーで発表した。VWのマルティン・ヴィンターコルン社長は同計画について、「2012年のジュネーブ・モーターショーがVWグループの環境負荷低減に向けた抜本的な改革のスタートとなる」と述べ、自動車メーカーとしてだけでなく、環境面でも業界を主導する企業となることが目標であるとして、今後の取り組みに意欲を示した。

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自動車に関しては、欧州市場で販売する新車の二酸化炭素(CO2)排出量を2006~2015年の間に30%削減する計画。これにより、VWグループが販売する新車のCO2排出量は2015年に走行1キロメートル当たり120グラム以下になるという。また、新世代モデルでは、現行モデルに比べ、燃費を平均10~15%改善することを目指す。

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2013年は小型車「アップ(Up!)」の電気自動車など、電動駆動システムを搭載したモデルを市場投入する計画がある。

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■ 生産工程も改善

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生産工程に関しては、2018年までに環境負荷を25%低減する。具体的には、エネルギー消費量や水の使用量、廃棄物の削減などを通して目標を達成する方針。生産工程のエネルギー供給における温室効果ガスの排出量を2020年までに40%削減する計画。このため、太陽光発電や風力発電、水力発電など再生可能エネルギーの分野に約6億ユーロを投資することが盛り込まれた。

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VWは先頃、「MQB(Modularer Quer Baukasten)」と呼ばれる新たな生産システムを導入する計画を発表した。同システムでは、幅広いモデルで部品を共通化できるほか、複数のグループブランドのモデルを同時に生産できるため、生産効率が向上する。2012年にはMQB方式で生産したアウディ「A3」と7代目「ゴルフ」を発売する予定。

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