伊フィアットと米クライスラー・グループの経営統合により誕生したフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のマルキオンネ最高経営責任者(CEO)は8日、本社を英国のロンドンに置くと明らかにした。
フィアットは現在、イタリアのトリノに、クライスターは米デトロイド郊外オーバーンヒルズに本社を置いている。マルキオンネCEOはクライスラー本社で記者会見し、「取締役会、CEOのオフィス、CEO業務の一部などグループの執行機能はロンドンに置く必要があることは明らかだ。ただ、それは米国での業務責任の放棄を意味するものではない。われわれは多角的に活動し、あらゆる場所で業務を行う」と語った。
フィアットは1月にクライスラーの経営権を掌握して以降、本国イタリアへの依存を減らしている。FCAはオランダで会社登記し、ミラノではなくニューヨークを主要上場先にする方針だ。
独立系自動車アナリストのウォルコノヴィツ氏は、ロンドンに本社を置くという決定について、金融の中心地であり、トリノかオーバーンヒルズを本社にすることで生まれる社内のあつれきを回避できるとして、懸命な選択だと評価している。