欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/8

総合 – 欧州経済ニュース

次期欧州委員の人選大詰め、週内に“組閣”完了へ

この記事の要約

EUの“内閣”である欧州委員会の次期委員の人選が大詰めを迎えている。ユンケル次期委員長は5日、閣僚に相当する欧州委員26人の候補者リストを発表。今週半ばまでに各候補者の担当分野を決め、組閣を終える予定だ。 欧州委員は加盟 […]

EUの“内閣”である欧州委員会の次期委員の人選が大詰めを迎えている。ユンケル次期委員長は5日、閣僚に相当する欧州委員26人の候補者リストを発表。今週半ばまでに各候補者の担当分野を決め、組閣を終える予定だ。

欧州委員は加盟国が1人ずつ指名する候補者から選ばれ、担当分野はユンケル次期委員長が決めることになっている。発表されたリストは、EU外交安全保障上級代表(EU外相)兼副委員長への就任が決まっているイタリアのモゲリーニ外相を除く26人。加盟国が4日までに候補者指名を完了してまとまった。

候補者のうち現職委員は、ドイツのエッティンガー氏(エネルギー担当)、スウェーデンのマルムストロム氏(内務担当)など6人。フィンランドのカタイネン前首相、エストニアのアンシプ前首相など4人の首相経験者も含まれる。

大きな焦点となっていたのは女性の登用。委員の承認権を持つ欧州議会が女性の積極起用を求め、少なくとも現在の陣容と同じ9人を女性としなければ承認を拒否すると警告していたためだ。

加盟国が当初打診した候補者のうち女性は4人だけだったが、ユンケル次期委員長の働きかけにより、ルーマニア、ベルギーなどが直前に候補者を男性から女性に差し替え、最終的に9人(伊モゲリーニ氏を含む)が女性となった。

ユンケル次期委員長は早ければ9日にも各候補者に担当ポストを割り振り、組閣名簿を発表する見通し。域内市場、通商政策、競争政策など経済関連の重要ポストをどの国が確保するかが焦点となる。