天然ガス世界最大手のロシア国営ガスプロムが14日発表した2014年6月中間決算の純利益は4,510億ルーブル(111億米ドル)となり、前年同期から22.7%減少した。ウクライナに供給したガスの料金滞納で多額の引当金を計上したことで収益が圧迫された。
ガスプロムはウクライナの政変を受けて、4月に同国向け天然ガスの価格を1,000立方メートル当たり260ドルから485ドルに引き上げた。ウクライナが値上げに反発して料金を支払わなかったため、6月15日に供給をストップした。
売上高は2兆8,739億ルーブルと11.9%増加した。ただ、ウクライナの未払いで2,158億ルーブルの引当金計上を迫られた結果、営業利益は25%減の6,397億ルーブルに落ち込んだ。
ウクライナ関連では売掛金が回収できれば引当金戻し入れで利益が大きく改善するが、大口顧客である同国への供給が減った影響は残る。ガスプロムは1月末時点で今年の対ウクライナ供給量を最大400億立法メートルと予測していた。6月の供給停止までの累計は140億立法メートルにとどまっている。