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2010/1/27

ロシア

ルサールIPO、売り出し価格は仮条件中間値に

この記事の要約

香港証券取引所に上場予定のロシアアルミ最大手ルサールの株式売り出し価格が、仮条件中間値の1株当たり10.8香港ドル(1.39米ドル)に決まったもようだ。複数のメディアが25日までに伝えた。時価総額は210億米ドルとなる。 […]

香港証券取引所に上場予定のロシアアルミ最大手ルサールの株式売り出し価格が、仮条件中間値の1株当たり10.8香港ドル(1.39米ドル)に決まったもようだ。複数のメディアが25日までに伝えた。時価総額は210億米ドルとなる。香港市場では27日から同社株式の売買が開始され、パリ・ユーロネクストでも承認が下り次第、グローバル預託証券(GDR)として取引されるという。

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ロシア経済紙『ベドモスチ』によると、ルサールの新規株式公開(IPO)には機関投資家300社以上が購入を申し込んだ。同社は今回、発行済み株式の9.31%を売り出したが、一般申し込み受付以前に売却を決めたロシアの政府系金融機関・開発対外経済銀行(VEB)、英銀行家ナサニエル・ロスチャイルド氏率いる投資会社NRインベストメンツなど4社のほか、新たに東アジア最大の資産家・李嘉誠氏率いる長江実業グループやリビア国営ファンド、クレディ・スイス、メリルリンチなどが取得した様子。一方、購入に意欲を示していた仏保険大手アクサ、米投資ファンド大手ブラックロック、シンガポールのタマセクなどは取得を断念したという。

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売り出し決定価格による企業価値(時価総額+純負債額)に対する2010年見込みのEBITDA(利払い・税・償却前利益)の倍率(EV/EBITDA倍率)は、11.7倍。米アルミ大手アルコアは7.6倍、中国アルミ(Chalko)は10.2倍であることから、同業他社よりも高く評価された格好。市場関係者からは「ルサールのIPOは大成功だ」との声が聞かれている。

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この成功にロシア企業の間で香港市場に対する注目度が上昇、鉄鉱石大手メタロインベスト、ロシア国鉄などが香港上場を検討しているとされる。

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