2010/1/27

CIS諸国

準大手銀ウクルプロムバンクを清算=ウクライナ中銀

この記事の要約

ウクライナ中央銀行は21日、経営難に陥っていた準大手銀行のウクルプロムバンクを清算処理すると決定した。同日付で銀行免許を取り消した。中銀は昨年1月から同行を管理下に置いて再建を目指してきたが、預金流出と残余資産の劣化が止 […]

ウクライナ中央銀行は21日、経営難に陥っていた準大手銀行のウクルプロムバンクを清算処理すると決定した。同日付で銀行免許を取り消した。中銀は昨年1月から同行を管理下に置いて再建を目指してきたが、預金流出と残余資産の劣化が止まらず、再建は不可能と判断した。債務総額は約140億フリブナに上るもようだ。

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ウクルプロムバンクは2003年から09年までの6年間で資産を86倍に拡大、総資産で国内上位20行にランク入りした。だが、融資のほとんどを外貨建てで行っていることもあり、金融危機に伴う自国通貨フリブナの暴落で融資の返済に窮する顧客が多発。125億フリブナに上る融資残高のうち、4割以上に当たる52億フリブナが焦げ付いた。

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これに対し、中銀は昨年1月、同行の経営陣を交代させて管理下に置くとともに、預金者への払い戻し、債権者への返済を当面凍結するモラトリアムを導入。10月には同行の個人預金をすべて国営のRodvik銀行に移管して保護すると発表、混乱の鎮静化を図った。

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ところが、ウクルプロムバンクが11月に預金払い戻しの受付を再開したところ、払い戻し希望者が殺到。10月1日時点で72億5,000万フリブナあった預金残高は2カ月で1億5,590万フリブナまで目減りした。同行は約100億フリブナの資産を保有していたが、預金額の急減で事実上、資産はほとんど残っていないもようだ。

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同行はウクライナ国内に26支店、255出張所、228のATM機を保有する。中銀がこれらを競争入札により売却し、債務額の一部にあてる。(1UAH=11.1JPY)

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