中東欧でテレビ放送事業を展開するセントラル・ヨーロピアン・メディア・エンタープライズ（CME）は21日、赤字経営となっているウクライナの放送局「Studio 1+1」と「Kino」を同国のハーレー・トレーディングに計3億米ドルで売却することで合意したと発表した。CMEのサルブ社長は、ウクライナ事業売却で流動資金を確保し、他の中東欧市場に資金を注力できるとしている。
\CMEはウクライナのほかチェコ、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、スロベニア、クロアチアの計7カ国で22の放送局を運営する。金融危機のぼっ発以降、広告収入の激減で同社の経営状態は悪化し、09年1-9月には最終損益が前年の5,860万米ドルの黒字から4,190万米ドルの赤字に転落した。『Studio 1+1』は09年に視聴率2位となったが、同国事業は売上高が1-9月で前年同期比81％減の1,440万米ドル、営業赤字も4,297万ドルに上った。社内部ではウクライナ事業の黒字転換は2014年まで困難と試算していたもようで、売却先を模索していた。
\一方、ハーレー・トレーディングはウクライナ有数の企業グループ、プリバートを率いるイホール・コロモイスキ氏傘下の企業。CMEは昨年6月、同氏に少数株式を売却しており、今回の取引で全株譲渡する。
\ \チェコで通信社買収
\ \またブルームバーグが20日伝えたところによると、CMEはルーマニアの通信社メディアファクスのチェコ子会社買収を決めた。買収価格は1ユーロ。CMEのチェコ放送局『TV Nova』はこれまでもメディアファクスからのニュース配信を受けていたが、買収により情報をさらに充実させる。
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